研究課題/領域番号 |
22H00982
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
川端 美穂 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (00399221)
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研究分担者 |
玉瀬 友美 高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 教授 (90353094)
宮原 順寛 北海道教育大学, 大学院教育学研究科, 准教授 (10326481)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | ラーニング・ストーリー(LS,学びの物語) / プラクティショナー・リサーチ(実践者による研究) / 形成的アセスメント / カンファレンス / LSの書式・活用法 |
研究実績の概要 |
初年次は、NZ及び日本のLS実践者にどのような専門性開発の機会が提供されているのかについて実態調査を行った。 (1) NZ調査(ハミルトン市の2園) 研修の機会や内容が行政や施設側から一方的に与えられるのではなく、各所で開催される研修情報がSNSで共有され、実践者らが主体的に選択して参加できる仕組みが作られていること、内部評価として実践者による研究が求められていることが確認できた。また、保育者らと参加した園内研修において、プロバイダーELPのWendy Leeによる講義のハイライトの第1は、ノルマのためではなく、何か興奮することに立ち会ったときに書くためには、チームの協働が鍵になるという指摘であった。具体的には、書かれやすい/書かれにくい子どもについての省察を足場に、学び見るディスポジションをチームで議論し、ラーニングコミュニティで学びの意味を分析していくというアセスメントの根本課題が論じられた。第2は、価値ある学びの選び方に偏りが生じることや、学びの世界を共有しにくい子どもがいることを、保育者の反省点や子どもの問題点として捉えないということであった。 (2) 日本国内調査(北海道の2園) LSは学びを絶えず再構築されるものとして暫定的に捉えるところに最大の特徴がある。線が引き直されるダイナミックなプロセスを検討する緒として、常態的なリフレクションのあり方について参与観察を行った。1年目は、自分たちの保育の文脈で大切にしたい学びとは何か、そこにはどのような難しさやジレンマがあるのかについて、実践内部の議論に焦点をあてて記録した。これまでに見えてきたこととして、それぞれの実践者の多様な子ども理解を園全体で「集める」ことに関して、ミーティング、研修及び研究の中で多層的に行われている一方で、何を学ぶのかという内容とどのように学ぶのかという方法に関する言語化は多くないことが挙げられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日本国内及びニュージーランドの研究協力園において、おおむね計画に沿って、調査を実施しデータ収集を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
ニュージーランドと国内の研究協力園において研修への参加が、実践者個人やチームにどのような意味を持つのか、現場に生じてきた現象の意味を明らかにすべく、追跡調査を実施していく。
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