研究課題/領域番号 |
22H01672
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
井上 朝雄 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (70380714)
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研究分担者 |
土屋 潤 九州大学, 芸術工学研究院, 講師 (40448410)
谷 正和 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (60281549)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | バナキュラー建築 / 鉄骨 / 煉瓦 / 古地図 / 編年 / 英領 |
研究実績の概要 |
この研究は、植民地期の住居や店舗などの、いわゆるバナキュラー建築の建設年代を特定する方法論を開発することを本研究の目的として、アジアの旧英領植民地の英領期(19世紀後半から20世紀前半)に建てられた建築物を対象として、建設年代の上限値を推定する方法として、鉄骨部材と煉瓦の製造年代を特定する方法(鉄骨考古学と煉瓦考古学)、建設年代の下限値を推定する方法として、植民地時代に発行された古地図に記載されていた建造物かどうかを同定する手法(古地図記載建造物同定法)を完成させ、これら3つの手法を総合的に用いることでバナキュラー建築の建設年代を特定する方法を開発するものである。2022年度は、古地図記載建造物同定法に取り組んだ。 バングラデシュ・チッタゴン市の1911-12年の古地図を入手し、1167件の煉瓦造の建造物を確認した。現地調査を行ったところ、そのうち12%の123件の建造物が残っていることが分かった。また、123件のうち煉瓦造に鉄骨梁を有するものは46件あることがわかった。さらには、7割の83件が個人所有であることも分かった。壊された建物のほとんどが高層建築に置き換わっていることが分かった。 古地図記載建造物同定法の妥当性が検証できたため、都市の古地図を入手できれば、建物の建造年の下限値を推定できることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
チッタゴンでは、1911-12年の古地図しか入手できず、古地図記載建造物同定法による編年までは至らなかった。また、コルカタやダッカ、ペナン、シンガポールでも古地図記載建造物同定法を試みる予定であったが、訪問が叶わなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、引き続き古地図記載建造物同定法の確立を目指すとともに、鉄骨考古学および煉瓦考古学に取り組むものとする。鉄骨考古学では、構成元素の分析を行い構成元素の変化による編年を試みる。また、煉瓦考古学では、形状の特徴による編年と熱残留磁化による編年に取り組む予定である。
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