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2022 年度 実績報告書

クワ耐虫性タンパク質MLX56を用いた画期的な耐虫性作物育種に向けた包括的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22H02354
配分区分補助金
研究機関国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

今野 浩太郎  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 上級研究員 (00355744)

研究分担者 光原 一朗  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, グループ長 (80370683)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードMLX56 / 耐虫性タンパク質 / キチン結合性タンパク質 / MLX56組換えアブラナ
研究実績の概要

本年度の研究は研究の主体となる契約研究員の雇用が予定通りに進まず2022年度の早期に公募を行ったが内定者が2回連続して(2人が)辞退したため、実際に契約研究員を雇用できたのが2023年4月になり研究の進展に遅れが生じた。
本年度はMLX56を発現するアブラナの作出が目標であり、発現ベクター(アグロバクテリウムにスクリーニン用に抗生物質耐性遺伝子を組み込んだベクター)にMLX56遺伝子を組み込んだものを作成し、アブラナの細胞への導入を試みた。2022年度には抗生物質抵抗性が付与されたアブラナ細胞を選抜しカルスを経由したアブラナ個体の再分化を行っており、複数のアブラナ個体ができつつつある。次年度(2023年度)にアブラナにMLX56遺伝子導入による耐虫性を付加できたか検定を行う予定である。
MLX56はこれまで摂食をさせることで消化管内のキチンからなる囲食膜を肥厚させることで耐虫性を発現させると考えてきたため、摂食をさせることで害虫防除に用いることを主目的にしていた。しかし、キチンは昆虫の表皮をはじめ気管などの組織にも広く存在しているためそれらキチンのターゲットにも作用して成長阻害活性を発現する可能性も考えられた。そこで、MLX56(クワ乳液を70%エタノールで沈殿させることで回収された粗画分)を溶解させたPBS緩衝液にエリサン幼虫を1時間程度浸しPBSで洗った後乾燥させその後の成長を比較したその結果、MLX56を体表に付着させたものは成長が遅かった。このことから、MLX56は体内だけからでなく体外からも成長阻害効果があることが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度の研究は研究の主体となる契約研究員の雇用(MLX56組換え作物の作成や耐虫性試験を担当)が予定通りに進まず2022年度の早期に公募を行ったが内定者が2回連続して(2人が)辞退したため、実際に契約研究員を雇用できたのが2023年4月になり研究の進展に一定の遅れが生じた。しかし、その間も分担者の光原がMLX56組換えアブラナの作成を進め、また代表者の今野が(摂食ではなく)体外から付着させたMLX56の耐虫性効果の検定を進め一定の成果を得ることが出来た。これらの点を総合し、研究がやや遅れているという自己評価をした。

今後の研究の推進方策

今後は、代表者の今野、分担者の光原、契約研究員の西森の3人体制で、MLX56による組換え植物の耐虫性のアッセイを広範な分類群の昆虫を用いて行うことで、MLX56によって成長を阻害させられる適応昆虫の幅を増やすことを試みる。また、MLX56の改造・改良を試み、より耐虫性効果を強化したMLX56の作成も試みる。一方、MLX56非感受性のカイコを用いて、カイコがなぜMLX56を食べても他の昆虫と異なり成長を阻害されないかを解明し、将来発生する可能性を否定できないMLX56抵抗性害虫出現の可能性とメカニズムについて予め調べることを行う。

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公開日: 2024-12-25  

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