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2023 年度 実績報告書

児童虐待・DVにおける暴力の継続性に着目した対応(犯罪化)に関する多角的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22H03862
配分区分補助金
研究機関琉球大学

研究代表者

矢野 恵美  琉球大学, 法務研究科, 教授 (80400472)

研究分担者 立石 直子  愛知大学, 法学部, 教授 (00369612)
齋藤 実  琉球大学, 法務研究科, 教授 (20424830)
吉崎 敦憲  琉球大学, 法務研究科, 教授 (50626504)
谷本 拓郎  京都光華女子大学, 健康科学部, 講師 (50908358)
松村 歌子  関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 教授 (60434875)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード児童虐待 / DV / 児童虐待罪 / DV罪 / 北欧 / ハワイ / 刑務所 / 受刑者を親にもつ子ども
研究実績の概要

2023年度は
1 司法福祉学会において、研究代表者を企画者として、分科会「児童虐待被害者に対する法的支援」を立ち上げた。報告は松村歌子(研究分担者)による「児童虐待・DVの現状と子ども中心の支援の必要性」、立石直子(研究分担者)「父母間のDVの児童虐待としての側面―離婚手続における評価の視点から」、齋藤実(研究分担者)「司法面接に関する動向-フィンランドの司法面接制度を参考にしつつ」、矢野恵美(研究代表者)「児童特別代理人(児童のための国選弁護人)制度について」について行った。
2 ジェンダー法学会において、研究代表者を企画者として、「今、改めてDVの犯罪化とそれに伴う諸問題について考える」を立ち上げ、「DV加害者への働きかけのあり方と司法の役割:DV防止法の課題」(松村歌子)、「外国人DV被害者の抱える問題」(立石直子)、「犯罪被害者等給付金とDV」(齋藤実)、「スウェーデンにおけるDV罪の現状と加害者処遇」(矢野恵美)の報告を行った。
3 刑法学会において、研究代表者が「受刑者を親にもつ子どもについて考える」の個別報告を行った。
4 ハワイ州最高裁判事(元ハワイ州家庭裁判所所長)を招聘し、DVと法に関する国際シンポジウム(国際研究集会)「法はDVをどう扱うのか」を開催し、ハワイの状況に加え、日本、基地内の状況についてが報告された。
5 この他、研究代表者が、研究からの知見を活かし、沖縄県DV防止法に基づく基本計画策定等委員会委員長、沖縄県困難な問題を抱える女性への支援のための施策の実施に関する基本的な計画(仮称)策定委員会委員長としてDVや児童虐待を含む計画の策定に携わった。又、DVや児童虐待を含む内容について、各種講演、研修を実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

児童虐待、DVについて、それぞれ異なる学会において分科会、ワークショップを立ち上げ、研究代表者、研究分担者が報告を行い、問題点が整理されたことに加え、研究代表者、分担者らでハワイを訪問し、家庭裁判所のあり方を中心に詳しく調査を行った後、ハワイ州最高裁判事(元ハワイ州家庭裁判所所長)を招聘し、DVと法に関する国際シンポジウム(国際研究集会)「法はDVをどう扱うのか」を開催し、ハワイの状況に加え、日本、基地内の状況についてもシンポジストに報告してもらい、日本の課題を共有すると共に、今後の日本が目指すべきモデルの一つとしてハワイ州の家庭裁判所のあり方を提示することができたため。又、研究からの知見を活かし、地域への貢献(計画策定)、各種講演、研修を実施したため。

今後の研究の推進方策

スウェーデンにおけるDV罪、面前DV罪、家庭内暴力罪(児童虐待罪を含む)等の継続する暴力に着目した犯罪類型の創設の可能性、DVに対する加害者更生プログラムのあり方、ハワイの家庭裁判所に代表される、家庭内の犯罪をも含め、DV問題、児童虐待問題、保護命令、DV再発防止プログラム等を一手に扱う家庭裁判所のあり方の日本への導入の可能性、そのような家庭裁判所のあり方を踏まえた上での共同親権のあり方等について検討を進めていきたい。又、北欧ではむしろ手厚く扱われているが、日本では、例外視されてきたDVや児童虐待等の家族内における犯罪に対する犯罪被害者給付金のあり方についてもDVや児童虐待の犯罪化とも併せて継続検討したい。当初から、ハラスメントについても継続する暴力の一類型と考えてきたが、2023年の性犯罪規定改正によって、セクハラも性犯罪に含まれる場合があるため、セクハラを含むハラスメントの犯罪化についても検討していきたい。

  • 研究成果

    (30件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (13件) (うちオープンアクセス 2件) 学会発表 (9件) 図書 (7件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [雑誌論文] スウェーデンにおけるジェンダー主流化、女性犯罪者処遇、女性被害者施策2024

    • 著者名/発表者名
      矢野恵美
    • 雑誌名

      法務総合研究所研究部報告

      巻: 66 ページ: 293,325

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 教員によるわいせつ行為等の懲戒処分歴と賞罰欄の記載要求について2024

    • 著者名/発表者名
      矢野恵美
    • 雑誌名

      琉球法學

      巻: 109 ページ: 1,22

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 「DV防止法の現時点とこれからージェンダー立法と呼ばれて……」『女性の政治参画をどう進めるか(学術会議叢書31)』2024

    • 著者名/発表者名
      立石直子
    • 雑誌名

      公益財団法人日本学術協力財団

      巻: 31 ページ: 323,344

  • [雑誌論文] 子どもを性犯罪・性暴力等から守るための犯歴照会制度-フィンランドの犯歴照会制度を踏まえてー2024

    • 著者名/発表者名
      齋藤実
    • 雑誌名

      学習院法務研究

      巻: 18 ページ: 19,34

  • [雑誌論文] 受刑者を親にもつ子どもたちのための冊子づくり2023

    • 著者名/発表者名
      矢野恵美 齋藤実
    • 雑誌名

      刑政

      巻: 134 ページ: 110,117

  • [雑誌論文] 刑事法におけるジェンダー平等 ー強姦罪から不同意性交罪へー2023

    • 著者名/発表者名
      矢野恵美
    • 雑誌名

      ジェンダーと法

      巻: 20 ページ: 79,94

  • [雑誌論文] DV事案に関して、日本型の問題解決型裁判所の導入はできないか ~DV事案の現状理解と行政書士業務との関連について2023

    • 著者名/発表者名
      松村歌子
    • 雑誌名

      行政書士大阪

      巻: 8・9 ページ: 22,26

  • [雑誌論文] 『逃げないDV』対応として加害者プログラムの導入を2023

    • 著者名/発表者名
      松村歌子
    • 雑誌名

      ジェンダー法研究

      巻: 10号 ページ: 123,134

  • [雑誌論文] DV加害者プログラムを現行制度の中でどう位置付けるか2023

    • 著者名/発表者名
      松村歌子・清末愛砂・宮園久栄・井上匡子
    • 雑誌名

      司法福祉学研究

      巻: 23 ページ: 168,172

  • [雑誌論文] 受刑者を親にもつ子どものためにできること~子どもたちのための冊子づくり2023

    • 著者名/発表者名
      矢野恵美・松村歌子・立石直子・齋藤実
    • 雑誌名

      司法福祉学研究

      巻: 23 ページ: 182,186

  • [雑誌論文] フィンランドにおける子ども等への供述等への伝聞例外の適用と司法面接-刑事訴訟法321条の3の制定を受けてー2023

    • 著者名/発表者名
      齋藤実
    • 雑誌名

      琉大法學

      巻: 108 ページ: 1,12

  • [雑誌論文] 被害者支援の回顧と展望2023

    • 著者名/発表者名
      齋藤実
    • 雑誌名

      刑法雑誌62

      巻: 3 ページ: 481,496

  • [雑誌論文] 犯罪被害者等への経済的支援に関する正木亮説の検証ー「刑法における賠償問題」の検討・その2ー2023

    • 著者名/発表者名
      齋藤実
    • 雑誌名

      獨協法学

      巻: 120 ページ: 267,278

  • [学会発表] 児童特別代理人(児童のための国選弁護人)制度について2023

    • 著者名/発表者名
      矢野恵美
    • 学会等名
      司法福祉学会
  • [学会発表] スウェーデンにおけるDV罪の現状と加害者処遇2023

    • 著者名/発表者名
      矢野恵美
    • 学会等名
      ジェンダー法学会
  • [学会発表] DV防止法2023改正と課題~再加害防止のための施策の必要性2023

    • 著者名/発表者名
      松村歌子
    • 学会等名
      日本司法福祉学会
  • [学会発表] 児童虐待・DVの現状と子ども中心の支援の必要性2023

    • 著者名/発表者名
      松村歌子
    • 学会等名
      日本司法福祉学会
  • [学会発表] DV加害者への働きかけのあり方と司法の役割:DV防止法の課題2023

    • 著者名/発表者名
      松村歌子
    • 学会等名
      ジェンダー法学会
  • [学会発表] 父母間のDVの児童虐待としての側面―離婚手続における評価の視点から」2023

    • 著者名/発表者名
      立石直子
    • 学会等名
      司法福祉学会
  • [学会発表] 外国人DV被害者の抱える問題2023

    • 著者名/発表者名
      立石直子
    • 学会等名
      ジェンダー法学会
  • [学会発表] 司法面接に関する動向-フィンランドの司法面接制度を参考にしつつ2023

    • 著者名/発表者名
      齋藤実
    • 学会等名
      司法福祉学会
  • [学会発表] 犯罪被害者等給付金とDV2023

    • 著者名/発表者名
      齋藤実
    • 学会等名
      ジェンダー法学会
  • [図書] ジェンダー事典2024

    • 著者名/発表者名
      立石直子(共著:担当範囲:6章「法律と制度」中の「家庭内での暴力と法の介入」「ケアの外部化と法的支援」)
    • 総ページ数
      800
    • 出版者
      丸善出版
  • [図書] ジェンダー視点で読み解く重要判例402023

    • 著者名/発表者名
      矢野恵美(共著:担当範囲:実父による性虐待無罪事件(いわゆる岡崎事件)))
    • 総ページ数
      494
    • 出版者
      日本加除出版
  • [図書] 女性犯罪研究の新たな展開2023

    • 著者名/発表者名
      矢野恵美(共著:担当範囲:受刑者を親にもつ子ども(拘禁者を親にもつ子ども)への刑務所の対応―ジェンダーの視点を加味して考えるー)
    • 総ページ数
      486
    • 出版者
      尚学社
  • [図書] 岐路に立つ市民の司法参加制度~英米の陪審制度から日本の裁判員制度を考える2023

    • 著者名/発表者名
      松村歌子(共著:担当範囲:第1部Ⅰ刑事編「アメリカのDVコートの概要と日本型DVコート導入の必要性」(125-150頁)、 Ⅱ民事編<抄訳>「民事陪審裁判はZoomで行われるべきか?」)(151頁)
    • 総ページ数
      510
    • 出版者
      日本評論社
  • [図書] 権利擁護を支える法制度2023

    • 著者名/発表者名
      松村歌子(共著:担当範囲:第1章「法の基礎知識」(2-14頁)、第3章「憲法」(22-33頁)、第4章「民法」(34-56頁))
    • 総ページ数
      226
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
  • [図書] ジェンダー視点で読み解く重要判例402023

    • 著者名/発表者名
      立石直子(共著:担当範囲:「東京都立七生養護学校「こころとからだの学習(性教育)」事件)73-79頁 第2章「家族」の総論執筆(326-334頁)と編集を行った。)
    • 総ページ数
      494
    • 出版者
      日本加除出版
  • [図書] 女性犯罪研究の新たな展開(岩井宜子先生傘寿・安部哲夫先生古稀記念論文集)2023

    • 著者名/発表者名
      齋藤実 (共著, 担当範囲:フィンランドにおける児童虐待を予防する方策)
    • 総ページ数
      486
    • 出版者
      尚学社
  • [学会・シンポジウム開催] 法はDVをどう扱うのか2024

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公開日: 2024-12-25  

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