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2023 年度 実績報告書

方言昔話資料のデータベース化と言語研究への活用

研究課題

研究課題/領域番号 23H00635
配分区分補助金
研究機関國學院大學

研究代表者

三井 はるみ  國學院大學, 文学部, 教授 (50219672)

研究分担者 井上 文子  大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 研究系, 准教授 (90263186)
野間 純平  島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 准教授 (30780986)
仲原 穣  琉球大学, グローバル教育支援機構, 非常勤講師 (60536689)
日高 水穂  関西大学, 文学部, 教授 (80292358)
森 勇太  関西大学, 文学部, 教授 (90709073)
酒井 雅史  桃山学院教育大学, 人間教育学部, 准教授 (20823777)
高木 千恵  大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 教授 (50454591)
竹田 晃子  岩手大学, 教育学部, 教授 (60423993)
橋本 礼子 (舩木礼子)  神戸女子大学, 文学部, 教授 (00454736)
松丸 真大  滋賀大学, 教育学系, 教授 (30379218)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2028-03-31
キーワード方言昔話資料 / 資料整備 / 資料性の検討 / 文末表現研究 / 談話研究
研究実績の概要

方言による昔話資料は、伝統的方言を語りのテキストの形で記録した大量の資料群であり、方言研究に好適でありながら現状必ずしも十分に活用されているとは言えない。本研究はこのような方言昔話資料を活用し、言語研究を推進することを目的とする。そのために、①言語研究に適した形での方言昔話資料のデータベース化、②方言昔話資料の言語研究資料としての位置づけ、③方言昔話資料を活用した言語研究の実践、を行う。①~③について本年度は次のことを実施した。
① a.文化庁「各地方言収集緊急調査」データ(1977~1985年収録、国立国語研究所が管理)と、b.島根県方言昔話資料(1970~1980年代収録、島根県立大学に保管)のデータベース化のための資料整備を行った。a.については、「みんなで談話整備プロジェクト」と連携して作業を行い、「民話」データの一部が国立国語研究所リポジトリから公開された。b.については、収録者・関係者の協力を得て資料の現状を把握した上で、資料整備・データベース化の方針を策定し、録音音声のデジタル化と文字化資料の入力を開始した。平行して、データベースとして公開するための手続きや問題点等について情報収集を行った。この他、岩手県方言昔話資料を選定し文字化資料の電子データ化を行った。
② 全国の昔話を収載したシリーズ『日本の民話』(ぎょうせい)を取り上げ、その中に現れる文法的特徴を検証した。関東方言の「ベー」について見ると、これまでの研究で明らかにされている特徴とよく一致し、共通語出現の度合いも現実の言語状況を反映したものとみなされた。これにより方言昔話資料を文法形式に関する言語研究資料として用いることの妥当性の一端を示した。
③ 方言文末表現等に関して研究成果を発表した。「文化庁「各地方言収集緊急調査」資料の整備と活用 説明会&講習会」を共催した(2023年8月26日)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

「① 言語研究に適した形での方言昔話資料のデータベース化」については、a. 文化庁「各地方言収集緊急調査」データの資料整備を進め、「民話」データの一部が公開された。b. 島根県方言昔話資料のデータベース化の方針を策定し、資料整備作業に着手した。「② 方言昔話資料の言語研究資料としての位置づけ」については、公刊された昔話集に見られる方言的特徴について、これまで方言研究で明らかにされている特徴とよく一致することを示した。「③ 方言昔話資料を用いた言語研究の実践」については、論文・学会発表・著書等で研究成果を発表した。

今後の研究の推進方策

次年度以降も、現在の計画にしたがって研究を推進する。

  • 研究成果

    (25件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (8件) (うちオープンアクセス 6件) 学会発表 (16件) (うち招待講演 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 読みがたりむかし話資料にみる四国方言の敬語2024

    • 著者名/発表者名
      酒井雅史
    • 雑誌名

      甲南国文

      巻: 71 ページ: 左88-97

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 『全国方言資料』にみる尊敬語の分布2024

    • 著者名/発表者名
      酒井雅史
    • 雑誌名

      桃山学院教育大学研究紀要

      巻: 6 ページ: 43-53

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 行為要求表現と共起する大阪方言の終助詞ヤ・イヤ2024

    • 著者名/発表者名
      高木千恵
    • 雑誌名

      阪大社会言語学研究ノート

      巻: 20 ページ: 93-112

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 福島県会津平方言のモダリティ形式「ベ」―喜多方市の調査結果から―2024

    • 著者名/発表者名
      舩木礼子(橋本礼子)
    • 雑誌名

      神女大国文

      巻: 35 ページ: 128-108(38-58)

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 語彙のネットワークから「ことば」のしくみを考える英語と日本語のコラボ授業2024

    • 著者名/発表者名
      于一楽・松丸真大・牧野尚史・永田郁子
    • 雑誌名

      滋賀大学教育実践研究論集

      巻: 6 ページ: 157-163

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 昔話資料に現れた方言特徴の検討 ―関東方言の「ベー」を例として―2023

    • 著者名/発表者名
      三井はるみ
    • 雑誌名

      國學院雑誌

      巻: 第124巻9号 ページ: 1-17

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 第9章 可能・自発と方言地理学2023

    • 著者名/発表者名
      竹田晃子
    • 雑誌名

      小林隆・大西拓一郎・篠崎晃一編『方言地理学の視界』勉誠社

      巻: - ページ: 142-162

  • [雑誌論文] 第10章 モダリティと方言地理学―ゴト類の用法の多様性と山口東部方言の禁止の「コト」―2023

    • 著者名/発表者名
      舩木礼子
    • 雑誌名

      小林隆・大西拓一郎・篠崎晃一編『方言地理学の視界』勉誠社

      巻: - ページ: 163-181

  • [学会発表] 東京・神奈川方言の推量関連表現の調査報告2024

    • 著者名/発表者名
      三井はるみ・坂本薫
    • 学会等名
      方言文法研究会2024年第1回研究例会
  • [学会発表] 諸方言の推量表現の広がりと推量表現調査項目の改訂検討2024

    • 著者名/発表者名
      高木千恵
    • 学会等名
      方言文法研究会2024年第1回研究例会
  • [学会発表] 談話資料からみる高知県幡多方言の多様性-話者の社会的属性の観点から-2024

    • 著者名/発表者名
      高木千恵
    • 学会等名
      社会言語科学会第48回研究大会
    • 招待講演
  • [学会発表] 東北地方の言語事情と方言昔話を中心にした活動―「釜石 漁火の会」の活動支援と連携から見えてきたこと―2024

    • 著者名/発表者名
      竹田晃子
    • 学会等名
      令和5年度文部科学省委託事業「おきなわ教員研修高度化フォーラム」琉球大学教育学部
    • 招待講演
  • [学会発表] 東北方言におけるコトダ由来の文末形式の変容2024

    • 著者名/発表者名
      竹田晃子
    • 学会等名
      方言文法研究会2024年第1回研究例会
  • [学会発表] 琉球語の区画について考える―方言区画と系統が示すもの―2024

    • 著者名/発表者名
      仲原 穣
    • 学会等名
      沖縄言語研究センター 2024 年 1 月定例研究会
  • [学会発表] 沖縄県那覇市首里方言の推量関連表現の調査報告2024

    • 著者名/発表者名
      仲原 穣
    • 学会等名
      方言文法研究会2024年第1回研究例会
  • [学会発表] 島根県出雲方言における「ダ」と「ノダ文」―原因・理由節を中心に―2024

    • 著者名/発表者名
      野間純平
    • 学会等名
      方言文法研究会2024年第1回研究例会
  • [学会発表] 広島・山口方言の推量関連表現の調査報告2024

    • 著者名/発表者名
      日高水穂
    • 学会等名
      方言文法研究会2024年第1回研究例会
  • [学会発表] 高知方言の推量関連表現の調査報告2024

    • 著者名/発表者名
      舩木礼子
    • 学会等名
      方言文法研究会2024年第1回研究例会
  • [学会発表] 推量表現調査項目の説明/京都市方言の推量表現簡易報告2024

    • 著者名/発表者名
      松丸真大
    • 学会等名
      方言文法研究会2024年第1回研究例会
  • [学会発表] 推量表現の調査概要2023

    • 著者名/発表者名
      高木千恵・舩木礼子・松丸真大
    • 学会等名
      方言文法研究会2023年第2回研究例会
  • [学会発表] 琉球諸方言の方言区画2023

    • 著者名/発表者名
      仲原 穣
    • 学会等名
      方言文法研究会2023年第2回研究例会
  • [学会発表] 島根県出雲方言における「動詞非過去形+ダ」とノダ文2023

    • 著者名/発表者名
      野間純平
    • 学会等名
      日本方言研究会 第117回研究発表会
  • [学会発表] ノのない方言の「ノダ文」―「ノダ文」の空間的変異―2023

    • 著者名/発表者名
      野間純平
    • 学会等名
      日本語文法学会 第24回大会(パネルセッション)
  • [学会発表] 本土諸方言の方言区画2023

    • 著者名/発表者名
      日高水穂
    • 学会等名
      方言文法研究会2023年第2回研究例会
  • [図書] ワークブック 方言で考える日本語学2023

    • 著者名/発表者名
      松丸真大・白岩広行・原田走一郎・平塚雄亮
    • 総ページ数
      146
    • 出版者
      くろしお出版
    • ISBN
      9784874249345

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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