研究課題/領域番号 |
23H03687
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
吉田 光男 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 准教授 (60734978)
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研究分担者 |
風間 一洋 和歌山大学, システム工学部, 教授 (60647204)
佐藤 翔 同志社大学, 免許資格課程センター, 准教授 (90707168)
大波 純一 国立情報学研究所, オープンサイエンス基盤研究センター, 特任准教授 (10726623)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | オルトメトリクス / 研究評価 / 学術情報 / ソーシャルメディア / Science of Science |
研究実績の概要 |
2023年度は主に,(1)データ基盤の準備,および,(2)学術情報の早期評価指標の検討を行った。 (1)については,arXiv Bulk Dataなどのプレプリントの書誌情報,Semantic ScholarやOpenAlexなどの学術論文の書誌情報および引用データを収集・検証するなど,研究対象とするデータの範囲を広げた。また,以前より開発しているオルトメトリクスデータ基盤を改良した。 (2)については,COVID-19という非研究者が言及ユーザとして多く含まれうる論文に対するTwitter上における言及の波及の程度を分析し,SNS上での非研究者を含んだ学術コミュニケーションの様相を明らかにした。対象文献に対する言及は広範囲に波及しており,対象としたトピックの社会的興味の強さが関連している可能性が考えられる。一方で,文献ごとに波及の程度に差があり,SNS上での言及数を数えたとしても文献の社会的な注目度をそのまま示しているかについては判断がつかず,SNS上での言及数を用いて学術情報の評価を行う行為には注意が必要ということも分かった。 以上のほかにも,被引用数の多いarXivプレプリントを対象に,Twitter上における言及の時系列変化を分析した。その結果,高被引用数のプレプリントの言及数は,プレプリントの貢献内容によって,2種類の時系列パターンに分類できると共に,将来的に高被引用数を獲得するプレプリントを予測できる可能性を確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度はデータ基盤を準備し,学術情報の早期評価指標の検討を目標としており,この検討結果は学術雑誌等で公表した。よって,おおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度の研究により,ユーザによる言及情報が,学術情報の早期評価指標となり得ることが分かった一方で,言及の波及の差が大きいことも分かった。この結果を受け,学術論文の著者情報などのメタデータを参照し,論文の特徴を考慮した,より高度な評価指標の確立を目指す。また,論文データ以外にも,特許データや外部資金データ(科研費データ)を対象とする分析も進める。
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