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2023 年度 実施状況報告書

腫瘍低酸素を標的としたα線治療薬剤の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23KJ0302
研究機関千葉大学

研究代表者

貝塚 祐太  千葉大学, 医学薬学府, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2023-04-25 – 2025-03-31
キーワードアスタチン-211 / 標的α線治療 / 腫瘍低酸素領域 / ガレクチン / チオガレクチド / ネオペンチル
研究実績の概要

本研究では、低酸素環境下の腫瘍を標的とした標的α線治療薬剤を開発するため、腫瘍低酸素環境で高発現しているガレクチン-1やガレクチン-3に親和性を有するチオジガレクトシド(TDG)の部分構造をもつ、アスタチン-211(211At)標識TDG誘導体の開発を目的としている。はじめにアジド基を有するTDG誘導体を8段階の合成ステップを経て作製した。211Atは入手機会が限られることから、211Atと同族で取り扱いの容易な放射性ヨウ素(125I)を用いて、候補薬剤のガレクチン-1およびガレクチン-3への親和性評価を行った。まず125I標識したネオペンチル型アルキン試薬を作製し、つづいてクリック反応によりアジド基を有するTDG誘導体と結合し、125I標識TDG誘導体を得た。本薬剤は、in vitroの試験においてガレクチン-1およびガレクチン-3に対し、既存のTDG標的診断薬剤(68Ga-Galectracer)と同程度の親和性を有することを確認した。この結果を受けて、候補薬剤の設計を211Atへ応用した。125I標識と同様の手順で211At標識TDG誘導体を作製した。211At標識TDG誘導体についてもin vitroの試験でガレクチン-1への親和性を評価したところ、125I標識TDG誘導体と同等のガレクチン-1への親和性を示し、核種の変更による親和性の変化は見られなかった。以上の結果は211At標識TDG誘導体が低酸素環境下の腫瘍を標的とした標的α線治療薬剤として有望であることを示している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は腫瘍低酸素環境で過剰発現しているガレクチンに親和性を有する候補薬剤の作成を目的として、候補薬剤を設計、合成し、候補薬剤のガレクチンに対する親和性の評価を行った。これらの実験を通して、当初の予定通りガレクチンに親和性を有する211At標識TDG誘導体を得ており、研究の進捗状況に問題はない。

今後の研究の推進方策

担癌モデルマウスを作製し、候補薬剤の生体内腫瘍集積を評価する。腫瘍集積に問題がなければ、211At標識TDG誘導体による低酸素腫瘍の治療効果を評価する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Neopentyl glycol-based radiohalogen-labeled amino acid derivatives for cancer radiotheranostics2024

    • 著者名/発表者名
      Kaizuka Yuta、Suzuki Hiroyuki、Watabe Tadashi、Ooe Kazuhiro、Toyoshima Atsushi、Takahashi Kazuhiro、Sawada Koichi、Iimori Takashi、Masuda Yoshitada、Uno Takashi、Kannaka Kento、Uehara Tomoya
    • 雑誌名

      EJNMMI Radiopharmacy and Chemistry

      巻: 9 ページ: -

    • DOI

      10.1186/s41181-024-00244-4

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 標的アルファ線治療に向けたネオペンチル標識基を利用した211At標識チロシン誘導体の開発2023

    • 著者名/発表者名
      貝塚祐太、鈴木博元、甘中健登、渡部直史、高橋和弘、上原知也
    • 学会等名
      第6回日本核医学会分科会 放射性薬品科学研究会/第22回放射性医薬品・画像診断薬研究会
  • [学会発表] ラジオセラノスティクスペアとしての18F/211At標識チロシン誘導体の特性評価2023

    • 著者名/発表者名
      貝塚祐太、鈴木博元、甘中健登、澤田晃一、桝田喜正、宇野隆、渡部直史
    • 学会等名
      第63回日本核医学会学術総会

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公開日: 2024-12-25  

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