研究課題
基盤研究(A)
縄文時代早期後葉には本州中部でクリが多産してウルシが伴い精巧な木製品が製作され,森林資源管理が成立した。しかし土木材へのクリの多用や漆器の製作はまだ把握できておらず,森林資源管理の詳細は不明である。西日本では多数の編組製品が素材を吟味して製作され,集落の周辺での森林資源管理が想定された。西日本で利用されたイチイガシは,縄文時代前期ごろに瀬戸内海沿岸部に広がって照葉樹林を形成した。草創期から早期の植物資源管理が把握しにくいのは,当時の人々の生活の場であった沿岸部が海進によって水没しているためと考えられた。
木材解剖学