研究課題/領域番号 |
24242025
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山口 英男 東京大学, 史料編纂所, 教授 (40182456)
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研究分担者 |
稲田 奈津子 東京大学, 史料編纂所, 助教 (60376639)
後藤 真 花園大学, 文学部, 講師 (90507138)
栄原 永遠男 大阪市立大学, 文学研究科, 教授 (80102979)
渡辺 晃宏 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 史料調査室長 (30212319)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 日本古代史 / 正倉院文書 / 史料学 / 歴史情報 / 古文書 / 東大寺写経所 / SHOMUS |
研究概要 |
1.システム構築:本研究課題の主たる目的となる正倉院文書多元的解析支援・広領域研究資源化システム構築を進めるために、その基盤となる断簡情報基盤データベース(基盤DB)の開発を開始し、プロトタイプシステムによる検討を行った。 2.データ生成:正倉院文書は、正集・続修・続修後集・続修別集・塵芥・続々修・その他に類別されるが、基盤DBのIDコードとなる基本情報テーブルについて、暫定データ生成をほぼ終了し、上記1のプロトタイプ構築のためのサンプルデータとして、正集のうち900件の整備を終了した。個別情報DBについてもデータ入力を開始した。断簡解析に必要な研究情報の利用を容易化するツールとなる「研究文献引用正倉院文書索引DB」について、皆川完一『正倉院文書と古代中世史料の研究』(吉川弘文館、二〇一二年)の引用文書索引(正倉院文書帙巻順配列・『大日本古文書』順配列、入力レコード約2400件)を完成させた。原本画像データの生成については、やむを得ぬ事情からH25年度に繰り越して実施し、デジタル化の仕様を確定して管理情報の生成を開始した。 3.断簡解析:上記2の作業を行なう中で、断簡解析情報を蓄積し、データの共用を可能とする汎用性について検討を行った。また、続々修の断簡解析を進めた。 4.研究連携:史料編纂所「電子くずし字字典DB」・奈良文化財研究所「木簡字典DB」と連携して正倉院文書の字形字体データの生成を始めた。これによって正倉院文書と木簡の字形字体についてのWeb上での連携検索が初めて実現された。この他、他組織とのデータ連携について検討した。 5.その他:10月に関係学会と共催で公開研究報告会を開催した。また、3月に本年度の成果報告と今後の計画を検討するための研究会議を開催した。この他、正倉院文書及びその断簡解析に関係する研究成果を公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題の主たる目的となる正倉院文書多元的解析支援・広領域研究資源化システムSHOMUSに関して、プロトタイプでの検討が順調に進み、基盤DBシステム開発のための準備を年度内にほぼ完了させることができたことなど、当初計画よりやや先行して進捗しているが、画像データ(原本)関係の作業について、やむを得ない事情からH25年度に繰り越して実施した。
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今後の研究の推進方策 |
1)システム構築 H24年度に構築したプロトタイプをもとに、基盤DBシステムを開発する。 2)データ生成 基本情報テーブルの整備及び個別情報DBの入力作業を継続する。 3)断簡解析 上記2)の作業と並行して断簡の基礎的解析を実施し、成果の蓄積を継続する。 4)研究連携 史料編纂所「電子くずし字字典DB」・奈良文化財研究所「木簡字典DB」と連携して正倉院文書の字形字体データの生成を継続し、関係組織とのデータの相互連携の検討を行う。 5)その他 研究打ち合わせ及び研究解析検討会、関係学会と連携した研究内容の広報と普及のための事業を実施する。
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