結び目理論と関係して、広範ないろいろな研究分野の中で個別的に進展が図られてきた研究を、研究代表者は、連携研究者(計20名)と適宜連絡を取りながら、結び目をキーワードとして、トポロジーに力点を置き、関連する物理・化学・生物を視野に入れながら、数学全般の発展を促すべく活動してきた。また、大阪市立大学数学研究所を活動拠点に置き、21世紀COEの事後評価(事前開示)で「設定された目的は十分達成された」の総合評価を受けた数学研究所の21世紀COEの数々の活動実績を有効に利用して、第一線の研究者及び将来有望な若手研究者の招聘によって、また東アジアの8つの研究所と締結した研究協力協定に基づいた教育研究交流活動を基盤として、アジアとの研究ネットワークの構築を目指し、活動した。大学院学生、PD研究員(数学研究所員)に国内・海外研修の機会を提供する等、国内外の研究者の活躍を支援し、特に次のような国際会議への参加支援を行った。大阪市立大学数学研究所・慶北国立大学・釜山国立大学合同の第10回大学院学生ワークショップと第8回KOOK-TAPU合同セミナー同時開催(韓国釜山国立大学開催)。結び目理論に関する東アジアセミナー(東京大学開催)、KOOK-TAPU Workshop of Knots in Tsushima Island。また、種々の国内の会合(KOOKセミナー、トポロジー新人セミナー、 Mini-Workshop on Blaschke Product、拡大KOOKセミナー、結び目の数学、4次元のトポロジー、東北結び目セミナー、 微分トポロジー17等々)への参加支援を行った。結び目の数学教育の研究報告書(共編)も出版した。研究代表者は、昨年度出版の45年間の懸案問題解決(リボン曲面結び目のsmooth unknotting予想解決)の論文の補足論文と曲面隣接空間グラフ理論の2編を出版した。
|