あらゆる物質の表面には、電子やイオンの熱揺らぎによるエバネセント(電磁)波が存在するが、従来、技術的困難により実験研究はほとんど無かった。本研究では、超高感度検出器(CSIP)を近接場顕微鏡に組み込んで可視化を初めて実現し、物質の研究に応用すると共に更なる装置開発を進めた。 極性結晶では、表面フォノンポラリトンの重要性と共に、金属深針と物質表面との結合の重要性を明らかにし、また、電流存在下の金属細線ではナノサーモメトリ―を実証した。3次元トポロジカル絶縁体(Bi2Se3)と多層グラフェンの予備的測定でエバネセント波の存在を確認し、低温度での実験を可能とすべく、より高感度のCSIPを開発した。
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