研究課題
本研究は遺伝学的背景が要因と考えられる“てんかん症候群”と“けいれん疾患”の責任遺伝子を同定し発症機序の解明と利用戦略基盤を構築することを目的とした。てんかんの病態は長い間不明であったが、最近の分子生物学の発展に伴い遺伝子異常が発見されるようになった。しかしながら、その遺伝子異常がヒト脳内でどのような病態を引き起こしているのかは、ヒト脳を利用する他なく困難と考えられてきた。ところが、最近は技術革新により、ヒト脳での病態研究が望める可能性が生まれた。我々はすでに500種以上のてんかんの責任遺伝子変異を見出してきた。また次世代シークエンサ-を利用して、世界に先駆けてんかんを来す小児交互性片麻痺の責任遺伝子を明らかにした。これら変異による病態を電気生理学的、細胞生物学的に明らかにしてきた。特筆すべきはナトリリウムチャネルをコードする遺伝子、SCN1Aの異常による起こるドラベ症候群の患者より樹立したiPS細胞から、神経を分化させすることに世界に先駆け成功した。これにより、ドラベ症候群の分子病態を明らかにすることができた。さらにこの細胞を用いて、そのSCN1Aの異常をTALENによる方法で、修復また正常細胞に導入することに成功した。てんかんでの遺伝子異常の発見により、その遺伝子異常をもつ動物を、遺伝子操作で作出することができるようになった。我々はドラベ症候群でみられるようなSCN1Aの遺伝子の微少欠失を持つマウスの作出に成功した。さらにTALEN技術を使い、ラットのSCN1Aの遺伝子とPCDH19に変異を導入することに成功した。現在、樹立したiPS細胞を用いて、病態の回復を指標として多種の薬剤をスクリーニングすることにより、効果のある薬剤のシーズの探索を行っている。同様に作出した動物を用いて、病態に基づく治療薬のシーズとなる薬剤のスクリーニングを実施している。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (18件) (うち査読あり 18件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 17件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 1件) 図書 (2件)
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