研究課題/領域番号 |
24300206
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
永井 清 立命館大学, 理工学部, 教授 (40198289)
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研究分担者 |
伊藤 宏司 立命館大学, 理工学部, 教授 (30023310)
林 叔克 立命館大学, 理工学部, 助教 (00611641)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | リハビリロボット / ロボットセラピー / 脳波 / 運動意図 / 疑似磁気浮上 / 浮上機構 / 運動機能の再建 / 機能回復訓練 |
研究概要 |
本研究の目的は、運動意図の生成に合わせて体性感覚を刺激する運動想起ロボットセラピー法、および、運動生成の補助と体性感覚の刺激を行う浮上型リハビリロボットを開発すること、さらに両者をもとに統合化リハビリテーションシステムを構築することである。 平成24年度には、次の二つの研究課題に取り組んだ。 1.脳波を用いた運動生成メカニズムの解明 脳波(EEG)に含まれる運動生成情報を用いて、運動生成における人の認識メカニズムを明らかにすることを実験的に試みた。ここでは、実際の運動生成の少し前に運動生成情報が脳波に現れることに着目し、健常者を被験者として能動運動と受動運動の違いが脳波にどのように現れるかを明らかにすることとした。また、上肢の運動を対象とするため、運動計測機能などを有するロボットアームを上肢に装着した。この実験の結果、脳波の自己相関を用いて、実際の運動生成の前に、運動意図を検出することが可能であることが確認できた。この実験の実施前には、研究代表者と研究分担者の所属大学の倫理審査委員会の承認を受け、実験はこの所属大学内で実施した。 2.浮上機構の開発 永久磁石と拘束機構を組み合わせる擬似磁気浮上法により、安定な浮上動作を生成する浮上機構を開発した。ここでは、この浮上機構を対象として、浮上位置を検出することにより微小動作と微小力との検出機能を実現する試作機を設計、試作し、基本機能の検討を行った。この実験の結果、微少な外力を検出ことが可能であることが確認できた。この浮上機構は、運動機能の再建を目指す本研究における統合化リハビリテーションシステムの要素技術となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
脳波を用いた運動意図の検出に関して、実際の運動生成の前に、運動意図を検出することが可能であることが確認できたこと、また、このことが、運動機能の再建を目指す本研究における統合化リハビリテーションシステムの要素技術となり得るためである。
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今後の研究の推進方策 |
次の研究課題に取り組む。 1.浮上型リハビリロボットの開発 平成25年度には、平成24年度に開発した浮上機構をロボットアームの先端に装着し、浮上機構とロボット関節を連携させることにより、微小動作と微小力の検出機能のほかに、人の運動の誘導機能、手先コンプライアンスの広範囲な可変機能等をもつ浮上型リハビリロボットを開発する。 2.運動想起ロボットセラピー法 平成25年度には、平成24年度に開発した運動意図の検出方法の改善に取り組み、識別率や時間精度の向上などに取り組む。運動想起時の脳波を用いて人の運動生成タイミングを検出し、浮上型リハビリロボットを用いて検出したタイミングで触覚・力覚刺激などの印加を行う運動想起ロボットセラピー法を開発することを試みる。
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次年度の研究費の使用計画 |
当該助成金が生じた理由は、物品費にかかわり、想定した実験が既存の研究設備を用いて行えることがわかったため、また、人件費・謝金にかかわり、被験者等に支払う謝金の必要総額が少なくなったため、および、旅費にかかわり、優れた研究成果の国際会議等での発表機会を増やしたためである。 また、繰り越した助成金については、本年度の国際会議等での発表機会の増加に伴う旅費の増額に充てる予定である。
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