日本,中国,韓国,台湾を含む東アジア地域から採集された堆積物試料中の球状炭化粒子(SCPs)の分析・解析結果から,以下の結論を得た.(1)東アジア地域において,SCPsの表面化学組成を用いてその排出国を推定することができる.(2)SCPsの輸送距離はその粒径によって大きく異なり,10 umより粗粒なものは排出源の近傍10km程度に限られるのに対して,それ以下のものは数百km以上にもおよぶことがある.(3)日本海の離島は日本や韓国に比較的近いにもかかわらず,中国由来のSCPsが全体の約半数を占め,中国からの越境汚染が示唆された.
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