モデルパラメータが比較的少ない多次元SRBM(セミマルチンゲール反射型ブラウン運動の略)は待ち行列ネットワークの近似確率過程としてよく使われるが,特殊な場合を除き特性がよくわからない.本研究では,SRBMの定常分布の漸近特性を求めると共に低次元への分解可能性を調べた.更に近似モデルとしての妥当性を調べるため,より現実的なモデルである一般化ジャクソンネットワークについて2ノードの場合に定常分布の裾の減少率を求め,高負荷時にSRBMの対応する減少率に収束することを証明した.これらの結果に基づき,待ち行列ネットワークにおける大きな待ちの発生メカニズムを解明し,安全設計のための指標を得る方法を与えた.
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