研究課題/領域番号 |
24320055
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
越智 博美 一橋大学, 商学研究科, 教授 (90251727)
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研究分担者 |
齋藤 一 筑波大学, 人文社会科学研究科(系), 准教授 (20302341)
井上 間従文 一橋大学, 言語社会研究科, 准教授 (50511630)
吉原 ゆかり 筑波大学, 人文社会科学研究科(系), 准教授 (70249621)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | トランスパシフィック / 米国 / 冷戦期 / 占領期 / 英米文学研究 / 沖縄 / 広島 / アート |
研究実績の概要 |
平成26年度については、おおむね予定通りに進んだ。 通常の活動として研究会を2ヶ月に一回ほど開催し、冷戦期の文学等について本プロジェクトメンバーおよび他校の研究者と知識を共有し、また議論をおこなった。越智、吉原、斎藤は引き続き文献から日本における第二次世界大戦後の英文学を調査したほか、吉原はGeroge Kerrについての調査を沖縄公文書館にて実施、井上は米国のトランスパシフィックな統治形態の一部としての琉球列島とアートをめぐる研究を雑誌『las barcas』に執筆した。また全員が国際学会でのパネル発表などを通して(L.Montgomery Institute (吉原)、Modernist Studies Association (越智、斎藤)、Association for Asian Studies Annual Conference(井上)など)、成果を発信すると同時に、米国と東アジアとを横断する統治性と文学・芸術などを調査する研究者ネットワークの構築に務めた。 当初の予定ではRob Wilson氏を中心とした国際シンポジウムを開く予定だったが、研究を進めるうちにむしろより理論的な研究者を招く方がよいと判断したため、Miami UniversityのYu-Fang Cho氏を平成27年3月に招聘し、"Transnational America and the Question of Literature"という題目による国際シンポジウム(発表者:Cho,遠藤不比人、吉原ゆかり、ディスカッサント:新田啓子)や大学院生セミナーを開き、活発な意見交換をおこなった。メンバーすべてが第二次世界大戦後の日本における英米文学研究という観点から研究を進め、それぞれ の国際学会にて口頭発表を行った。 総じて前半2年間の成果の発表とあらたな研究をバランスよく行えた1年であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記報告にもあるように、当初予定した通りに計画を進めることが出来ている。2013年にメンバーが1人死去した分、クール・ジャパン等の分野はカバーできていないのだが、井上、越智ともに現代文化の問題に踏み込んだ議論もおこなっており、その意味では、当初おこなおうとしていたことに近い形で研究を遂行できている。また占領期以降の英米文学研究について、4人とも中間報告として、国際学会で発表することができた点については予定以上であると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、平成27年度を最終年度としており、予定通り、成果発表の年とする予定である。これまで得てきたネットワークを使いながら、国際学会での成果発表を計画しているほかに、当初は個々に海外雑誌に投稿する予定だったのだが、Yu Fang-Cho氏の提案により、彼女のネットワークを使いながら、台湾の研究者たちとも連携して海外の査読雑誌に特集記事を組む計画を立てている。また同時に、その記事、およびあらたに海外研究者からもらう原稿を合わせて日本語訳して出版し、トランスパシフィック文学研究の成果を発信する準備に取りかかる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外にて開催するシンポジウムを国内に変更したために生じた繰り越し、および越智が予定していた学会参加を、授業日程との関係よりとりやめたことにより生じた繰り越しが発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度の海外研究者招聘事業に宛てるほかに、越智については夏の資料収集、および海外での学会発表の計画に使用することとする。
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備考 |
一橋大学研究機関リポジトリ http://hermes-ir.lib.hit-u.ac.jp/rs/items-by-author?author=ochi%2C+hiromi
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