研究課題/領域番号 |
24320171
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
矢野 桂司 立命館大学, 文学部, 教授 (30210305)
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研究分担者 |
中谷 友樹 立命館大学, 文学部, 教授 (20298722)
花岡 和聖 東北大学, 災害科学国際研究所, 助教 (90454511)
桐村 喬 東京大学, 空間情報科学研究センター, 助教 (70584077)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 国勢調査 / 経済センサス / ジオデモグラフィクス / GIS / 官庁統計 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、日本の国勢調査を代表とする官庁統計を活用して、地理情報システム(GIS)の利用を前提とした地理学的研究を行うセンサス地理学を確立し、様々な地理学的研究の可能性を検討することであった。 今年度は、昨年度に検討した京都府の2009年経済センサスに関して、調査区や町丁・大字などでは精確な位置を特定できないために、地番を含む住所データをもった個票データを入手し、アドレスマッチングを施して事業所をポイントデータとして特定した。その結果、京都府と連携しながら駅勢圏(500m圏)などの任意の空間単位での集計が可能となった。そこで、京都府内の全ての鉄道駅の500m圏内と1km圏内の産業小分類別での事業所数と従業者数の分布を明らかにした。合わせて、京都府の2000年と2010年国勢調査と2001年事業所・企業統計と2009年経済センサスの地域メッシュ統計(分割メッシュ)を整備して、500m分割メッシュのレベルであらゆる任意の集計を可能とするシステムを構築した。 また、町丁目単位での居住者特性の地区類型のジオデモグラフィクスを用いた応用研究として、京都市の空き家調査や、耐震補強支援事業などの町丁目別データと住民属性の関係を明らかにし、公的分野でのジオデモグラフィクス研究の展開を試みた。 この他、ArcGISOnlineを用いてのGISデータの公開を試験的に行っている。今年度は、官庁統計の総合的な活用方法に関するテキスト『日本版センサス地理学ハンドブック(仮称)』を出版できなかったが、1年延長して、その出版を計画する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
論文の執筆と図書の出版がやや遅れている。その理由の1つは、本研究のサポートをしていた若手研究者が企業に就職し、その後の補充が十分にうまくいかなかったことなどがあげられる。1年間の延長申請を行ったので、2015年度中に、研究成果の発表を実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2015年度に、共同研究者らと『日本版センサス地理学ハンドブック(仮称)』を出版する。
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次年度使用額が生じた理由 |
センサスデータのうち、国勢調査の分析は概ね終了したが、経済センサスなどの新たなGISデータの分析に時間がかかり、年度内に成果をまとめることができなかった。また、最終年度に『日本版センサス地理学ハンドブック(仮称)』を出版する計画であったが、データの入手や分析に時間がかかり、2015年度に持ち越すことにした。さらに、英国の研究協力者を招聘してシンポジウムを計画していたが、時間的に調整できなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
未整理の官庁統計のデータ処理、WebGISの構築、『日本版センサス地理学ハンドブック(仮称)』の出版に向けてのGISデータや地図の作成、海外の研究協力者の招聘とシンポジウムの開催などを計画している。
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