研究課題
本研究の目的は、戦間期におけるヨーロッパ諸国の国家意識、並びに「地域」形成に関して国内政治・社会状況とヨーロッパ国際政治の動向との関連で考察し、1920~30年代のヨーロッパにおける国家と地域の関係について検討することにあった。最終年度にあたる平成26年度は、残りの資料収集を行うとともに(山田がダブリン、出町がヘルシンキで資料調査を実施)、各々が学会にて研究成果の報告を行った。なかでも大島、石野は、日本国際政治学会2014年度研究大会(11月14日 福岡国際会議場)分科会・欧州国際政治史・欧州研究Ⅰのパネル「ヨーロッパ大陸の外から見る地域、統合、ナショナリズム」にて「戦間期欧州国際秩序への二つの志向性―ノルウェーの極地における国際協調主義と領土拡張主義―」(大島)「カレリア学徒会の『大フィンランド』―戦間期フィンランドにおける領土膨脹思想と運動―」(石野)の研究報告を行い、同時代に発生したノルウェー、フィンランド両国の領土拡張思想の比較を行い、その相違点、並びに戦間期国政政治の構造の一端を明らかにした。2月20日には、本年度9月に急逝した研究分担者山中の所属した南山大学にて、山中の研究を国際政治理論から再考したシンポジウム「戦間期の秩序構想と国際政治理論」の開催に協力した。本シンポジウムにて、国際政治が大きく変動した戦間期の地域構想研究が普遍的な国際政治理論研究にも貢献することが再確認された。個人レベルでは各々学会や著作にて本科研の成果を発表したが、引き続き平成27年度にも国際学会や学術論文にて発表する予定である。研究成果のアウトリーチ活動としては、津田塾大学オープンスクールにてオムニバス講座「歴史に見るヨーロッパの光と影―ヨーロッパ周辺国における国家意識と地域形成―」を開講し盛況であった(平成26年5月23日~6月27日:全6回)。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち謝辞記載あり 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 2件) 図書 (1件)
『地域研究』
巻: 15 ページ: 印刷中
『上智ヨーロッパ研究』
巻: 7 ページ: 107-123
『国際関係研究所所報』
巻: 49 ページ: 1-7