研究課題/領域番号 |
24330213
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
佐藤 修司 秋田大学, 教育文化学部, 教授 (70225944)
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研究分担者 |
大桃 敏行 東京大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (10201386)
新妻 二男 岩手大学, 教育学部, 教授 (80125476)
谷 雅泰 福島大学, 人間発達文化学類, 教授 (80261717)
佐藤 広美 東京家政学院大学, 現代家政学科, 教授 (20205959)
紺野 佑 秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (90364330)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 東日本大震災 / 教育行政機関 / 社会教育 / 復興教育 / 防災教育 / 危機管理 / 避難者 |
研究概要 |
被災地調査として、岩手県、宮城県、福島県の各県教委、釜石市教委、二本松市教委、また、学校、社会教育機関で校長や教員、社会教育職員に聞き取りを行うことで、震災時から1年が経過する中での状況の変化を把握することができた。各県ともに復興が実感できない状態にあり、先の見通しがない中で人口流出、学校統廃合の流れが加速しているわけだが、各県で様相は違っていた。学力向上等の通常型の教育政策が強化されている宮城県、福島県に比べ、岩手県では復興教育が県全体で取り組まれている。それでも県トップと学校現場とのずれは存在していた。 福島県の被災地域の強制避難者と自主避難者について、福島県内の状況、秋田県の状況についても調査を行った。福島県内では避難自治体立の学校が大熊町立以外では存亡の危機に置かれている状況と、学校長等が福島県教委や市町村教委の施策に感じている不満等を知ることができた。秋田県では被災者、特に年少の子どもとその母親が様々な不安、負担を抱えながら生活している状況を把握することができた。 その他に、沿岸部に位置する鳥取市の学校における防災体制の整備や、新潟の中越地震の経験についての調査も行い、東日本大震災の以前の経験と、それ以後の影響を限定的であるが調べることができた。 東日本大震災の影響と対応について、岩手、宮城、福島そしてその近隣地域を含めた縦断的な調査は国立教育政策研究所などいくつかの全国レベルの機関で行われているものの、関係者への聞き取りなどを含めて、一定期間長期的、継続的に調査を行っている例は見られず、日本教育学会での大震災調査と連携しながら、教育行政、社会教育分野での成果を得るべく取り組んでいるところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大震災に関わる研究であるため、被災地・学校・教育行政機関、被災者・児童・生徒・保護者等の置かれた状況、心身の状態等に配慮しながら調査を進めている。日常的に被災地等に入って調査ができるわけではないが、被災地にある大学の研究分担者は社会貢献の一貫としても被災地に関わっており、その経験も調査に活かすことができている。初年度は被災地の全体的な状況を把握することに努め、おおむねその目標を達成することができた。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に引き続き被災自治体、隣県自治体の状況について調査するが、文科省等の中央省庁、他自治体の調査も進める。阪神・淡路大震災等における復興との対比も視野に入れつつ、学校や社会教育施設、教職員、児童生徒の状況、教職員の人員配置・定数問題、学校・社会教育施設の立地・再建・再編の状況、安全対策・安全管理・安全教育の状況、教育委員会事務局の体制・機能・財政状況等について調査・分析する。
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