• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実績報告書

近代日本における教育情報回路と教育統制に関する総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 24330227
研究機関岐阜女子大学

研究代表者

梶山 雅史  岐阜女子大学, 文化創造学部, 教授 (60066347)

研究分担者 坂本 紀子  北海道教育大学, 教育学部, 教授 (40374748)
伊藤 純郎  筑波大学, 人文社会科学研究科(系), 教授 (00250994)
大迫 章史  仙台白百合女子大学, 人間学部, 准教授 (60382686)
笠間 賢二  宮城教育大学, 教育学部, 教授 (50161013)
清水 禎文  東北大学, 教育学研究科(研究院), 助教 (20235675)
佐藤 幹男  仙台大学, 体育学部, 教授 (30142904)
山谷 幸司  仙台大学, 体育学部, 教授 (50200704)
谷 雅泰  福島大学, 人間発達文化学類, 教授 (80261717)
山田 恵吾  埼玉大学, 教育学部, 准教授 (30312804)
前田 一男  立教大学, 文学部, 教授 (30192743)
竹内 敏晴  実践女子短期大学, その他部局等, 教授 (00413063)
須田 将司  東洋大学, 文学部, 准教授 (00549678)
佐藤 高樹  帝京大学, 文学部, 助教 (20549711)
服部 晃  岐阜女子大学, 公私立大学の部局等, 教授 (00387458)
山本 和行  天理大学, 人間学部, 講師 (00584799)
陳 虹ブン  平安女学院大学, 公私立大学の部局等, 講師 (60534849)
板橋 孝幸  奈良教育大学, 教育学部, 准教授 (00447210)
森川 輝紀  福山市立大学, 教育学部, 教授 (20008741)
白石 崇人  鳥取短期大学, その他部局等, 准教授 (00512568)
新谷 恭明  九州大学, 学内共同利用施設等, 教授 (10154402)
軽部 勝一郎  熊本学園大学, 経済学部, 准教授 (30441893)
照屋 信治  沖縄キリスト教学院大学, 人文学部, 准教授 (70612498)
近藤 健一郎  北海道大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (80291582)
金井 徹  修紅短期大学, その他部局等, 講師 (00532087)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード地方教育会 / 帝国教育会 / 大正期 / 昭和期 / 教育情報 / 教員団体
研究概要

今年度は1910-1920年代に焦点を当てた。とくに教員に対する統制が浸透していくプロセス、その重層的メカニズムとその影響の解明を目標とした。ここでは教育史学会コロキウムにおける研究報告の概要を掲げる。
須田将司は「大正期福島県全域における郡内方部会・郡市連合教育会の展開」と題し、福島県を事例として郡制廃止前後の郡市教育会の動向について報告した。この時期、地域における教育会組織が整備され、その裾野が郡市・区町村レベルに拡大していく一方、教員会や教育研究会という形で教師の教育研究の組織化が進行し、教育会の機能分化が進む。正教員比率が低かった福島県の場合、郡レベルの部会や町村レベルの支会が盛んに講習会・講演会を活発に展開した。町村教育会が地方教育会の担い手になっていく。
佐藤高樹は「教師の教育研究活動の拡がりと地方教育会 -東京府を事例に-」と題し、大正新教育と教師の教育研究活動を着目した報告を行った。東京都では教員間の「老壮年者対若年者」、「視学・校長対青年教員」という構図の中、若年層は教育会雑誌ではなく民間教育雑誌を講読したこと、若年層を中心に新教育の思想と実践が広まったこと、若年教師たちは教育会の外に活路を求めていったことを指摘した。新教育運動の担い手たちは既存の府県教育会から離脱することにより独自の活動の場を持つようになった。若年層の教育会離れが進んだ。
1910年から1920年代の地方教育会の活動は、福島の場合は町村教育会という小規模の組織の活性化が見られるが、東京都の場合は全国的組織との組織的連携に重点が置かれ、いわば組織上層部の活性化が見られ、対照的な動向があったことが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り、年2回の研究会を開催し、また教育史学会においてコロキウムを開催した。これによって10本の研究報告がなされた。
2014年1月の研究会ではメンバー全員の研究進捗状況について確認した。
年度末に中間報告書第2集を刊行する予定であったが、編集の都合上、刊行が次年度(2014年6月)になったことが唯一計画通りに進まなかった点である。

今後の研究の推進方策

2014年度は、本研究課題の最終年度である。まず、昨年度末に刊行予定の中間報告書(第2集)を作成し、関係各位に配布する。
平成26年度本来の研究計画については、予定通り、1940年代以降における教育会の動向を明らかにするとともに、3年間の研究成果の総括をおこなう。
定期的な研究会(年2回=7月と1月 毎回2日間にわたって研究報告と討議 )を開催、さらに教育史学会大会(10月)においてコロキウムを企画し、研究の総括に向けて研究報告と討議を行う。
これまでの研究成果をまとめ学術書として公刊をめざす。

次年度の研究費の使用計画

1. 中間報告書(第2集)の印刷が遅れたため、印刷費用の支払いが年度を超えることになった。また報告書の発送料を繰り越した。
2. 1万円未満の残金は、敢えて使い切らず、次年度で有効活用をするため。
中間報告書の印刷代の支払い及び発送は、遅くとも6月中旬までに完了する。繰越金は平成26年度の予算と合わせて有効に活用する。

  • 研究成果

    (16件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 日本統治下台湾人用国語教科書と国定教科書の比較研究(その3)2014

    • 著者名/発表者名
      陳虹ブン
    • 雑誌名

      平安女学院大学研究年報

      巻: 14 ページ: 未定

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 群馬県教育会の終焉と戦後における教育諸団体の結成2014

    • 著者名/発表者名
      清水禎文
    • 雑誌名

      東北大学大学院教育学研究科研究年報

      巻: 62集2号 ページ: 未定

  • [雑誌論文] 満蒙開拓青少年義勇軍と信濃教育会覚書き2013

    • 著者名/発表者名
      伊藤純郎
    • 雑誌名

      信濃史学会 『 信濃 』

      巻: 第65巻第11号 ページ: 909-930

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 奈良県教育会の創設とその活動―機関誌の分析を中心に―2013

    • 著者名/発表者名
      板橋孝幸
    • 雑誌名

      『 奈良教育史研究 』

      巻: 15 ページ: 1-13

  • [雑誌論文] 日本統治下台湾人用国語教科書と国定教科書の比較研究(その2)-第二期読本を中心に―2013

    • 著者名/発表者名
      陳虹ブン
    • 雑誌名

      平安女学院大学研究年報

      巻: 13 ページ: 1-9

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 近代日本における教育情報回路と教育統制に関する研究 (2)2013

    • 著者名/発表者名
      梶山雅史
    • 雑誌名

      教育史学会会報

      巻: 114 ページ: 8

  • [雑誌論文] 論評 藤澤健一著「 九州沖縄八県連合教育会の研究 ー通史的展望から見た組織的性質の解明ー」2013

    • 著者名/発表者名
      梶山雅史
    • 雑誌名

      日本教育史研究

      巻: 32 ページ: 121-125

  • [雑誌論文] 学校所蔵資料の収集・活用と保存ーサマーセミナーに参加してー2013

    • 著者名/発表者名
      梶山雅史
    • 雑誌名

      日本教育史往来

      巻: 207 ページ: 6-7

  • [学会発表] 「 国家教育」論の 「 植民地教育」への変容―1890年代を中心に―

    • 著者名/発表者名
      山本和行
    • 学会等名
      日本研究会
    • 発表場所
      国立台湾大学
    • 招待講演
  • [学会発表] 教師の教育研究活動の拡がりと地方教育会―東京府を事例に―

    • 著者名/発表者名
      佐藤高樹
    • 学会等名
      教育史学会
    • 発表場所
      福岡大学
  • [学会発表] 帝国教育会結成直後の教員講習事業―指導的小学校教員の学習意欲・団結心・自律性への働きかけ

    • 著者名/発表者名
      白石崇人
    • 学会等名
      教育史学会
    • 発表場所
      福岡大学
  • [学会発表] 明治期大日本教育会の教員講習事業の拡充―年間を通した学力向上機会の提供

    • 著者名/発表者名
      白石崇人
    • 学会等名
      中国四国教育学会
    • 発表場所
      高知工科大学
  • [学会発表] 大正期福島県全域における郡内方部会・郡市連合教育会の展開

    • 著者名/発表者名
      須田将司
    • 学会等名
      教育史学会
    • 発表場所
      福岡大学
  • [学会発表] 近代日本における教育情報回路と教育統制に関する研究 (2)

    • 著者名/発表者名
      梶山雅史
    • 学会等名
      教育史学会
    • 発表場所
      福岡大学
  • [図書] 沖縄の教師像―数量・組織・個体の近代史 (藤澤健一編)2014

    • 著者名/発表者名
      照屋信治
    • 総ページ数
      400 (照屋分担執筆 245-268頁)
    • 出版者
      榕樹書林
  • [図書] 近代沖縄教育と「 沖縄人」意識の行方ー沖縄県教育会機関誌 『琉球教育 』 『 沖縄教育 』の研究-2014

    • 著者名/発表者名
      照屋信治
    • 総ページ数
      336
    • 出版者
      渓水社

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi