研究課題
本年度は、以下の研究を実施した。(1)研究総括会議 8月と3月の2回実施した。8月の会議では、研究協力者のVanryckeghem博士を迎え、吃音のある子どもの包括的な評価に関す国際的な動向に関するレクチャーを受けると共に、今回作成する検査の妥当性・有効性を高めるための方策についての研究協議を行った。3月の会議では、吃音のある子どもとない子どもの標準化データ収集や、データ収集における倫理的配慮についての研究協議を行った。(2)言語症状検査開発グループ(原由紀(分担)、前新直志(分担)) 昨年度に引き続き、改訂版吃音検査法の実施・分析マニュアルの作成と、次年度に実施する吃音のある子どもの標準化データ収集の準備(倫理的配慮の検討など)を行った。(3)認知・感情・態度検査開発グループ(川合紀宗(分担)・見上昌睦(分担)、Vanrycheghem(協力)) BAB日本語版開発のための諸作業(日本語への翻訳、プレテストの実施)を行い、最終確定版を作成した。また、次年度に実施する吃音のある子どもと吃音のない子どもの標準化データ収集の準備を行った。(4)活動参加及び環境要因検査開発グループ(小林宏明(代表)・宮本昌子(分担)) 活動・参加及び環境要因検査開発のための諸作業(吃音のある成人に対する調査、プレテストの実施)を行い、最終確定版を作成した。また、次年度に実施する吃音のある子どもと吃音のない子どもの標準化データ収集の準備を行った。
2: おおむね順調に進展している
研究総括会議は、当初予定の年2回実施し、8月の会議では、研究協力者のVanryckeghem博士を迎え、国際的な動向を踏まえた本研究に対する検討を加えることができた。言語症状検査開発グループでは、標準化データ収集に必要な改訂版吃音検査法の実施・分析マニュアルの作成が完了した。また、認知・感情・態度検査、活動参加及び環境要因検査では、プレテストなどの手続きを経て、標準化データ収集に必要な核検査の最終確定版が完成した。本年度その一部を進めることになっていた、吃音のある子ども、吃音のない子どもへの標準データの収集が一部分でとどまってはいるが、次年度早々にデータ収集を行える目処を立てることができた。そこで、現在までの達成度を「概ね順調に進展している」と判断した。
次年度は、最終年度にあたり、吃音検査法、BAB日本語版、活動参加及び環境調査の吃音のある子ども、吃音のない子どもの標準データを収集し、各検査を完成させる。また、次年度は、7月に第8回国際吃音・流暢性障害学会がポルトガル共和国のリスボンで開催される予定であり、研究総括会議をリスボンで行い、本研究の研究成果を発表すると共に、研究協力者のVanryckeghem博士や学会参加の各国の研究者と積極的な情報交換を行う予定である。
本年度実施をする予定だった、吃音のある子ども、吃音のない子どもの標準化データ収集の実施が一部でとどまったため、これらに要する経費を次年度使用額とした。
吃音のある子ども、吃音のない子どもの標準化データ収集について、次年度確実に実施できるよう、既に実施準備に着手している。次年度に入ったら、早々にこれらのデータ収集に取り組む予定である。
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広島大学大学院教育学研究科附属特別支援教育実践センター研究紀要
巻: 13 ページ: 1-9
Pers pectives on Global Issues in Communication Sciences and Related Disorders.
巻: 4 ページ: 42-50
精神科治療学
巻: 29 ページ: 415-419
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