ナノキャリアに封入された抗がん剤は、enhanced permeability and retention effect (EPR効果)にしたがって腫瘍内に移行する事が知られている。しかし、このEPR効果を利用したナノキャリアによる抗がん剤デリバリーに限界があり、腫瘍内血管ネットワークに関連する腫瘍内微小環境の能動的な制御を行う事が重要である。経口型抗がん剤および抗がん剤封入ナノキャリアの低用量繰り返し投与が腫瘍内血管系に影響を与え、ナノキャリアの腫瘍への移行性および腫瘍内部での拡散性を改善する事を明らかにし、ナノキャリアの腫瘍移行性を亢進する新規な方法を提示する事ができた。
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