研究課題
マダニ(吸血性ダニ)は、宿主動物に取り憑いて吸血を行う外部寄生虫で、吸血の際に唾液に含まれる様々な病原体を宿主動物に注入し、ライム病や重症熱性血小板減少症候群など重篤な感染症を引き起こす。私たちは、独自に開発した好塩基球特異的に緑色蛍光色素蛋白質(GFP)を発現させた遺伝子改変マウスの生体イメージング解析により、マダニの再感染(2度目の感染)時には宿主動物皮膚の吸血部位に好塩基球が集積して、マダニによる吸血を阻害していることを見いだした。初感染時には、吸血部位における好塩基球の集積は認められず、好塩基球がマダニ感染に対する獲得耐性に重要な働きをしていることがわかった。この系をモデルにして、末梢血中を循環する好塩基球がどのようなメカニズムによって皮膚組織内に遊走して局所に集積するのかを生体イメージングで解析した。初期感染後に産生される抗マダニIgEは再感染時における吸血耐性発揮には重要であったが、好塩基球の遊走・集積には必須ではなかった。一方、リンパ球を欠損するマウスでは、再感染時における好塩基球の遊走・集積が認められず、記憶リンパ球の好塩基球遊走への関与が示唆された。このような生体内における好塩基球の動きを可視化するとともに、好塩基球の活性化を可視化するシステム開発を進めた。好塩基球がIgEとアレルゲンによって活性化されると脱顆粒がおこり、分泌顆粒内に貯蔵されているヒスタミンなどのメディエーターが放出されて、アレルギー炎症を誘発することがよく知られている。分泌顆粒内のpHが脱顆粒にともなって大きく変化することを利用して、pH感受性蛍光蛋白質をインディケーターとした脱顆粒可視化の系を構築し、マスト細胞株で機能することを確認した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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