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2013 年度 実績報告書

破骨・骨芽細胞制御による骨恒常性制御

研究課題

研究課題/領域番号 24390359
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

宮本 健史  慶應義塾大学, 医学部, 特任准教授 (70383768)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード骨粗鬆症
研究概要

骨量は破骨細胞による骨吸収と、骨芽細胞による骨形成の絶妙なバランスの上に規定されており、その破綻によっては骨量減性疾患を発症する。骨量減少性疾患で最も患者数が多いものが閉経後骨粗鬆症である。閉経後骨粗鬆症は、閉経によるエストロゲン欠乏により、破骨細胞の活性化から骨量が減少するもので、閉経前はエストロゲンが破骨細胞の活性を抑制していることまでは知られていたものの、その分子メカニズムは不明のままであった。申請者は、エストロゲンが破骨細胞において恒常的に低酸素応答性転写因子であるhypoxia inducible factor 1 alpha (Hif1a)を抑制していること、閉経によるエストロゲン欠乏がHif1aの活性化のトリガーになり、骨粗鬆症化が進行すること、これらのことからHif1aが閉経後骨粗鬆症の治療表的になることを見いだした。
また、破骨細胞・骨芽細胞の相互作用因子については、遺伝子欠損マウスにおいて、著明に骨量が減少するマウスモデルの樹立の成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

閉経後骨粗鬆症において転写因子であるHif1aが治療標的にあることは、破骨細胞特異的HIf1a欠損マウスおよびHif1a阻害剤の投与実験によって証明することができた。また、これらの知見については昨年度論文としてアクセプトされ、掲載に至っている(PNAS 2013)。
また、破骨細胞と骨芽細胞の相互作用についても、遺伝子欠損マウスの作製から、その表現系解析までは、ほぼ終了しており、著しい骨量減少を来すことを見いだしている。本動物モデルと、その表現系は世界的にも未だ報告がなく、新規の知見をもたらすものと考えている。また、そのメカニズムについても、in vitroの解析が進んでおり、今年度中には論文執筆から投稿にじゃ入れると考えている。以上から、おおむね順調に進展していると考えている。

今後の研究の推進方策

今後は、現在進めているメカニズムの解析をさらに進め、分子メカニズムを解明することにある。すでに必要な、遺伝子解析マウスの入手およびその解析も進んでおり、さらに詰めて行く予定である。また、これらの知見については、論文としてまとめ、投稿している予定である。さらに、学会等でも成果の公表を行っていきたいと考えている。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] HIF1α is required for osteoclast activation by estrogen deficiency in postmenopausal osteoporosis.2013

    • 著者名/発表者名
      Miyauchi Y, Sato Y, Kobayashi T, Yoshida S, Mori T, Kanagawa H, Katsuyama E, Fujie A, Hao W, Miyamoto K, Tando T, Morioka H, Matsumoto M, Chambon P, Johnson RS, Kato S, Toyama Y, Miyamoto T.
    • 雑誌名

      Proc Natl Acad Sci U S A.

      巻: 110 ページ: 16568-16573

    • DOI

      10.1073/pnas.1308755110

    • 査読あり
  • [雑誌論文] STATs and macrophage fusion.2013

    • 著者名/発表者名
      Miyamoto T.
    • 雑誌名

      JAKSTAT

      巻: 2 ページ: e24777

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Role of osteoclasts in regulating hematopoietic stem and progenitor cells.2013

    • 著者名/発表者名
      Miyamoto T.
    • 雑誌名

      World J Orthop.

      巻: 4 ページ: 198-206

    • 査読あり
  • [雑誌論文] IL-32-PAR2 axis is an innate immunity sensor providing alternative signaling for LPS-TRIF axis.2013

    • 著者名/発表者名
      Nakayama M, Niki Y, Kawasaki T, Takeda Y, Ikegami H, Toyama Y, Miyamoto T.
    • 雑誌名

      Sci Rep.

      巻: 3 ページ: 2960

    • DOI

      10.1038/srep02960

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Twist2 functions as a tumor suppressor in murine osteosarcoma cells.2013

    • 著者名/発表者名
      Ishikawa T, Shimizu T, Ueki A, Yamaguchi SI, Onishi N, Sugihara E, Kuninaka S, Miyamoto T, Morioka H, Nakayama R, Kobayashi E, Toyama Y, Mabuchi Y, Matsuzaki Y, Yamaguchi R, Miyano S, Saya H.
    • 雑誌名

      Cancer Sci.

      巻: 104 ページ: 880-888

    • DOI

      10.1111/cas.12163

    • 査読あり
  • [学会発表] Regulation of haematopoietic stem cells and progenitors by osteoclasts.2013

    • 著者名/発表者名
      Miyamoto T
    • 学会等名
      1. Annual Meeting of the Japanese Society for Immunology
    • 発表場所
      Makuhari
    • 年月日
      20131211-20131213
  • [学会発表] STAT6によるSTAT1の阻害がマクロファージの融合に必須である2013

    • 著者名/発表者名
      勝山 詠理、宮本 健史、二木 康夫、戸山 芳昭
    • 学会等名
      第28回日本整形外科学会基礎学術集会
    • 発表場所
      幕張
    • 年月日
      20131017-20131018
  • [学会発表] 金川裕矢、戸山芳昭、宮本健史2013

    • 著者名/発表者名
      ヒトIL-1α conditional transgenicマウスはヒト自己炎症性症候群を反映する
    • 学会等名
      第28回日本整形外科学会基礎学術集会
    • 発表場所
      幕張
    • 年月日
      20131017-20131018
  • [学会発表] TNFとIL-1は骨肉腫細胞株AXの腫瘍形成に必須のサイトカインである2013

    • 著者名/発表者名
      森智章、森岡秀夫、戸山芳昭、宮本健史
    • 学会等名
      第28回日本整形外科学会基礎学術集会
    • 発表場所
      幕張
    • 年月日
      20131017-20131018
  • [学会発表] 骨恒常性制御の分子機序2013

    • 著者名/発表者名
      宮本健史
    • 学会等名
      第31回日本骨代謝学会学術総会
    • 発表場所
      神戸国際会議場
    • 年月日
      20130530-20130530

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公開日: 2015-05-28  

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