研究課題/領域番号 |
24390500
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研究機関 | 城西国際大学 |
研究代表者 |
清水 清美 城西国際大学, 看護学部, 教授 (70323673)
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研究分担者 |
久慈 直昭 東京医科大学, 医学部, 教授 (80169987)
長岡 由紀子 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 准教授 (80315762)
宮澤 純子 城西国際大学, 看護学部, 准教授 (30583645)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 卵子提供 / 情報提供 |
研究実績の概要 |
提供卵子で妊娠・出産を望むカップル(レシピエント)や卵子を提供する女性(ドナー)に関わる経験をもつ国内の医師・看護師・カウンセラー・研究者、および日本人を受け入れている国外のエージェンシー、そして国外で提供卵子を受け母親になった女性を対象に「卵子提供を実施する上で、卵子を提供する女性や受療を望むカップルに必要と考える情報提供のあり方とその内容」について聞き取り調査を実施した。その結果、レシピエントに対して、医師は国内外の卵子提供の実情を含め、身体的リスクの回避から、卵子提供の方法およびそのリスク(妊娠率・出産率・妊娠合併症・分娩時の異常)、出産施設の確保の重要性を述べた。看護師・カウンセラーは、事後に形成する家族や子への影響とともに告知を含めた情報を、国外のエージェンシーは国や関連団体が作成する、卵子提供の授受におけるガイドラインを厳守するエージェンシーの選択や経済的な計画の必要性を述べた。一方、ドナーに対しては、医師や看護師より卵巣過剰刺激症候群や採卵時の出血など身体的リスクとその対処が述べられた。研究者からは生まれた子どもの出自を知る権利の保証からドナーとレシピエント双方に拡大家族的な関係を継続する覚悟をもつ必要性を述べた。 また、前年度のPubMed検索に引き続き、2005年1月1日~2014年12月31日の医学中央雑誌にて「卵子提供」「リスク」「人」「本文」をkey wordsに検索し118本の論文、2005年11月1日~2014年7月31日にカナダのインファティリティーネットワークおよび、2009年5月1日から2014年7月31日にバイオエッジ(BioEdge)より配信された、卵子提供関連のニュースや記事196本の記事を基に、patient questionに答えるために文献整理を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
主任研究者の清水が所属している組織内で新しいプロジェクトの準備のため時間を要し、計画通りに研究を進めることができなかった。特にpatient question に対応すべく、データベース(PubMed、医学中央雑誌、卵子提供関連のニュースや記事)の文献を整数する作業が大幅に遅延し、研究の完成を迎える27年3月に終了することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間を1年延長し、次年度3月の完成を目指す。4月から8月までにpatient question に対応した文献の整理を行い(清水・宮澤・長岡)、9月より冊子作成を行なう(清水・鈴木・仙波・久慈)。12月に、冊子の評価を、不妊に関連する主要団体(日本産科・婦人科学会。日本生殖医学会、日本生殖看護学会、日本不妊カウンセリング学会、不妊自助グループなど)から評価を受け修正・加筆を行なう。2月に1000部印刷し、日本産婦人科学会登録施設および不妊自助グループに配信を行い、評価を得る。
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次年度使用額が生じた理由 |
提供卵子を用いて妊娠・出産を検討する不妊カップル、および卵子の提供を検討している女性への情報提供資料の作成費および印刷費、関連学会・団体への郵送費が未使用のため。
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次年度使用額の使用計画 |
情報提供資料の作成費および印刷費、関連学会・団体への郵送費として使用予定である。
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