研究課題/領域番号 |
24406024
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
山本 太郎 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (70304970)
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研究分担者 |
飯島 渉 青山学院大学, 文学部, 教授 (70221744)
橋爪 真弘 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (30448500)
小堀 栄子 摂南大学, 看護学部, 教授 (00422931)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | HIV / 中国 / 疫学 / IDU / 国際保健 |
研究概要 |
本研究の目的は、第一に、メサドン維持療法(MMT:Methadone Maintenance Therapy)に参加している静注薬物常用者(IDUs:Intravenous Drug Users)のHIV新規感染率を調査し、MMTがHIV新規感染に与える影響を評価し、第二に、IDUsに対する効果的エイズ対策を提案することである。その上で、新規HIV感染者からウイルスを分離し、HIVのサブグループを決定し、IDU集団におけるHIVの由来を推定する。 上記目的の下、本年度は、406名のIDUを対象に、質問紙調査と面接調査を行い、また、HIV陰性のIDUに対して、ルーティン検査として行われている、半年に一回のHIV検査の結果を集計しているところである。一方、世界的に、HIV感染への効果的な予防対策として、感染者に対する治療が注目されている中、中国において、治療が予防に与える影響を評価した。その結果は現在、英文雑誌である『Plos One』に投稿中であり、また、IDUの感染経路として重要な針等の廃棄物の安全性や安全な取り扱いについて、中国の医療機関、学校等を対象に調査を行い、その結果を現在、『Southeastern Journal of Tropical Medicine and Hygiene』に投稿中である。 また、効果的介入対策の提案に関しては、針交換プログラムの実施を提案中であり、現在、その計画に関し、現地CDCと話し合いを重ねている。 こうした活動を通じて、医療従事者のIDUに対する偏見や差別は着実に減少してきた。また、HIV感染に対する意識の改善も進んだ。それは、本研究の付加的な効果だと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究から対策へ、着実に進展しており、また、研究結果の公表も、現在2本の英文論文を投稿中であり、加えて、2本の論文を執筆中である。おおむね順調に進んでいると考えられる。また、付加的な研究の成果として、医療従事者のHIV,IDUに対する態度に変化が見られたこともおおむね順調に進展している効果であると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
25年度は、執筆中の論文を投稿すると同時に、分子疫学的研究とこれまでのフィールド研究を結びつけて新たな展開を図る予定である。また、日中の合同シンポジウムも計画している。
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次年度の研究費の使用計画 |
日中合同シンポジウムを企画しており、その費用を計上する。また、フィールドからのサンプルを中心に、遺伝子解析を行う予定であり、そのための試薬費を計上している。
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