本研究では血液検査により肝癌の再発予測システムの開発を目的とする。このため、ゲノムデータと臨床データを統合して2値パターンとし、2値パターンを識別する新しいブール識別器を開発した。実験では肝癌を手術で完全に切除した患者を訓練サンプル40とテストサンプル33として用いた。特徴には、ゲノムデータとしてSPINTとSRDというメチル化遺伝子を、また臨床データとして肝癌の代表的な腫瘍マーカーであるAFPとPIVKAを用いた。ブール識別器を用いて、テストサンプルの血液検査で感度64%, 特異度65%、Youden-index0.29という高精度で肝癌の再発を予測できたことから、臨床応用の見通しを得た。
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