本研究では,映像に同期して音響やイスの振動,香り,風といった複合刺激を提示することによる感性向上効果を脳内血液量により評価するために,映像の制作,映像に合わせてイス,香り,風を制御するためのシステムを構築した.香りの発生を電気的に行うために,ラウドネススピーカを用いた空気砲を作製した.また,風の発生は,サーキュレータの電源をON/OFF制御することで風量を変更できるようにした.脳内血液量は,近赤外線分光法を用いて測定した. 映像に合わせて振動イスを制御する実験の結果,脳内血液量に関してはいずれの条件下においても酸素化ヘモグロビンの量が減少することが観測できた.
|