研究課題
研究の目的はアルツハイマー病(AD)およびCerebral amyloid angiopathy(CAA)と、特に毒性のAβ1-42のC末2残基を切断し可用性のAβ1-40を生成するアンギオテンシン変換酵素(ACE)の関係を明らかにすることである。Aβの分解には様々な酵素が関与しているが、ACEには酵素量および活性に影響を及ぼす多型(insertion/deletion(I/D) polymorphism)が存在し、血液中のACE活性は加齢で低下するとされている。しかしヒトでの検証は不十分であり、また脳内でのACEに関する知見は皆無である。ACE遺伝子多型とADに関する報告は散見されるがCAAにも注目した報告はない。そこで今回はADおよびCAAの病理、血中ACE酵素量および活性との関係を検証した。臨床血液解析:ボランティア、入院・外来患者計310名から採取した血清、血漿、血球より、ACE定量、ACE活性の定量を行った。病理脳解析:福祉村病院で神経病理診断を行った488例でACE I/D多型の関連性について解析を行った。結果的に死亡時均年齢83.3±8.7で男性220例、女性268例であった。165例がADと診断された。全体的なACE多型ではAD群DD 25(15%)/ID 73(44%)/II 67(41%)に対しnon AD 群がDD 42(13%)/ID 141(44%)/II 140(43%)でありカイ二乗検定では統計的な有意差はなかった。ApoE4-AD群84例ではDD 16(19%)/ID 31(37%)/II 37(44%)となったが有意な傾向は認められなかった。今回の遺伝子解析ではACEとADとの関係で有意差を見出す事はできなかった。CAAとの関連性については結論に至っていない。
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