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2014 年度 実施状況報告書

介護従事者のヒューマンファクター解明による安全な食事介助技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24500647
研究機関神戸常盤大学短期大学部

研究代表者

中道 敦子  神戸常盤大学短期大学部, その他部局等, 教授 (20567341)

研究分担者 松山 美和  徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (30253462)
石井 まこと  大分大学, 経済学部, 教授 (60280666)
千綿 かおる  九州歯科大学, 歯学部, 教授 (60442191)
星野 由美  徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (60457314)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワード食行動 / 食事介助 / 看護職 / 介護職 / 一口量 / 食べる早さ
研究実績の概要

2013年に徳島県および兵庫県の医療介護従事者を対象に肥満症患者をもとに作成した質問票を用いて調査を行い、回答を得た1019名のうち有効回答845名のデータを分析した。対象者の内訳は男性147名、女性698名で、職種は看護職510名、介護職218名、リハビリ職35名、歯科専門職55名、その他27名であった。年代は30歳未満、30歳代、40歳代、50歳代が各200名前後でほぼ平均していた。
2012年に研究代表者が作成した本質問票は、”何もしないとついものを食べてしまう”などの「食認知」、”食事の時間が不規則である”などの「食生活」、”早食いである””口一杯詰め込むように食べる”などの「摂食行動」の3因子から構成されている。2014年度は調査データの質問票得点を検討した結果、BMI25以上の“肥満”群の得点は3因子すべてで高かった。性別では男性が「食生活」「食認知」の得点が高かった。年代では若年層ほど「食生活」の得点が高く不規則な食生活が伺えた。職種では、看護職の「食生活」「摂食行動」の得点が高く、急性期病院の就業環境などの影響も考えられた。26年度は、以上のデータをまとめて、Appetite [Relationship between mouthful volume and number of chews in youg japanese females]ならびに Journal of Oar Health and Biosciences 「一口量に注文した食行動評価:YN食行動質問票の有効性」を論文掲載した。
現段階の本研究実績は、質問票調査により食事介助を業とする個人の食行動の特徴を把握できることを確認した。調査票の項目そのものが、回答者の行動変容を目的にしているため、各人の自己啓発につながる点で副次的な効果も考えられる。しかし調査データのうち、調査票以外の食事介助時の技術に関する分析と、これまでの分析結果を照合をもとに食事介助の技術について検討することで研究目的が達成されると考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2012年に実施した老人福祉施設職員対象の食品を用いた調査で、食事介助者自身の食べる早さと一口量が介助を行う際に影響を及ぼしていることが判明した。本研究計画は、この結果を根拠に、食事介助を業とする医療介護従事者の食行動の特徴と食事介助時の技術との関係について考察することであった。
調査は2013年に終了しており、昨年度は質問票の得点から調査対象者の食行動について、性・年齢・職種間の分析を行いその結果を発表した。
しかし、調査データのうち食行動質問票の得点以外の食事介助技術に関する項目の検討までには至っていない。そこで研究年限を延長し、自由記載の内容を含めた食事介助技術に関するデータの分析と質問票の得点との関連を考察し、安全な食事介助技術と介助者の食行動についての一定の知見を発信する予定としたため、研究達成度の若干の遅れと考えた。

今後の研究の推進方策

2013年に実施した医療介護従事者の食行動についての質問票調査より、食事介助技術に関する研修の有無・経験年数・職種・就業場所と、質問票の得点で示される各自の食行動の特徴との関連について、データを分析し検討する。研究機関を延長した最終年度となるため、この結果を関係学会に発信する予定である。
当初の研究計画では、食具として適切なスプーンの使用による一口量の定量化を、学生対象の研究で行う予定であった。この実施については、優先順位を2位とし、研究代表者が所属する九州歯科大学での実施を考える。

次年度使用額が生じた理由

2014年度に計画したデータの分析のうち一部しか実行できなかった。2014年度は分析したデータを論文投稿することに時間を費やしたため、予定していた統計ソフトの購入はしていない。また投稿論文の掲載料・印刷料の支払い請求が2015年3月末で未納のため今後支払う予定である。
2015年度は残りのデータを分析し関連分野へ成果を発表する予定であるが、自由記載内容を含むため、高位の統計分析手法を要することと、作業補助の人件費が必要である。

次年度使用額の使用計画

2014年度に予定していた、自由記載などのデータを分析するための統計ソフトを購入する。データ集計のための研究補助の人件費を予定している。
2015年度は延長・最終年度であるため、研究代表者の所属ではない、介護・看護分野の学会に関する情報収集と成果発表のための旅費を予定している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] 一口量に注目した食行動評価:YN食行動質問票の有効性2015

    • 著者名/発表者名
      中道敦子、後藤崇晴、市川哲雄
    • 雑誌名

      Journal of Oral Health and Biosciences

      巻: 27 ページ: 71-80

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Relationship between mouthful volime and number of chews in young lapanese females2014

    • 著者名/発表者名
      Atsuko Nakamichi,Miwa Matsuyama,Tetsuo Ichikawa
    • 雑誌名

      Apptite

      巻: 83 ページ: 327-332

    • DOI

      http://dz.org/10.1016/j.appet.2014.08.009

    • 査読あり

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公開日: 2016-05-27  

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