本研究の目的は、数値流体解析手法を用い、スキージャンプ・踏切動作中の空力特性を定量化することとした。計算結果の妥当性を検証するために、選手の体表面形状を計測し、風洞実験用の人体模型を製作して空力特性を実測した。異なる二動作の流体解析を行い踏切動作中の空力特性を定量化・比較した。両者の空気力には大きな違いが観察され、抗力は最大で2.2倍の差があった。また、技術レベルの高い選手の揚力は動作後半に急激に増加し、この時、左右上肢で形成される渦流れが後流に下方向の流れを形成していた。この結果から上肢の揚力への影響が比較的に大きいことが分かり、動作中の上肢の動作も空力的に無視できないことが示唆された。
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