2011年東北地方太平洋沖地震では、丘陵地造成地の地すべりや沖積低地地盤の液状化などが顕著であった。丘陵地造成地の地震被害は1978年宮城県沖地震で顕在化し、以来、盛土厚さ分布図の作成が勧められてきた。その方法は造成前後の地形図から地盤高を数値化して差分の図を作るのであるが、経費を要するため行政でも対応が難しかった。費用を要せず造成前地形を認識する方法として「現在地形図に造成前空中写真に重ねて立体視する手法」を考案し、発災箇所を現地で確認してその実用精度を検討した結果、有用であることを提示できた。
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