骨肉腫は予後不良の骨原発悪性腫瘍であり治療抵抗性の克服が急務である。新規に樹立した骨肉腫マウスモデルに化学療法を行ったところ、腫瘍内でIGF2が有意に増加した。IGF2は血清非存在下で骨肉腫細胞の生存を支持し、ストレスに対して耐性の休眠状態へ導入する効果を示した。一方、休眠状態にある細胞はグルタミン要求性を示し、細胞内ではautophagyが亢進していた。それらの阻害を化学療法に組み合わせたところ、化学療法単独に比較してin vivoで抗腫瘍効果が増強された。ヒト骨肉腫においても治療後にIGFは上昇することが示唆され、IGFシグナルの阻害は骨肉腫の治療感受性を改善する可能性が示唆される。
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