研究成果の概要 |
活性型Rasは、正常細胞で細胞内空胞形成を介した細胞老化により抑制されるが、癌細胞では浸潤・転移等の癌進展に関与する事が示唆されている。しかし、細胞老化を克服し癌が進展する機構の詳細は不明であった。 本研究により、CDCP1蛋白質が活性型Rasを介した細胞内空胞化を抑制し細胞死を抑制する事を発見した。また、CDCP1の発現亢進には活性型Ras-ERKシグナルが関与する事を明らかにした。さらに、CDCP1が細胞外基質分解酵素のMMP(MT1-MMP, MMP-2, 9)の制御にも関与する事を見出した。 これらの発見により、細胞老化を克服する癌進展にはCDCP1が重要である事が示唆された。
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