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2014 年度 実績報告書

ドメスティック・バイオレンスと婚姻法―暴力から自由な関係性の保障に向けて

研究課題

研究課題/領域番号 24510389
研究機関京都女子大学

研究代表者

手嶋 昭子  京都女子大学, 法学部, 准教授 (30202188)

研究分担者 南野 佳代  京都女子大学, 法学部, 教授 (60329935)
澤 敬子  京都女子大学, 現代社会学部, 准教授 (60340444)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードDV / 状況依存的暴力 / 強制的支配 / 精神的暴力 / 婚姻観
研究実績の概要

最終年度においては、これまでの研究成果をまとめるにあたってDVとは何かという、そもそもの研究の大前提に立ち返る必要があるとの認識を得るに至った。海外の制度や議論と日本の状況とを比較するに際し、まず、各国において何がDVと法的に定義されているのか、そして、それが実態に即したものになっているかのかどうか、という分析を行い、その結果として、日本のDV対策が海外と比較して適正に行われているといえるかどうかを検討した。諸外国の中でも米国では、DVの態様に関する議論が活発に行われ、特にDVがジェンダー・ニュートラルかどうかという点に関しては激しい論争が続いている。現在もっとも支持されている類型論は、パートナー間の暴力を状況依存的暴力と強制的支配の2類型に分けるものである。日本でも独自の調査研究が進められるべきであるが、米国の議論を参照するならば、日本は身体的暴力中心の定義を採用している点で、精神的暴力主体の強制的支配のタイプを救済から取りこぼしており、身体的暴力のあるケースでも状況的暴力については、一時的なものと過小評価する傾向にある。海外のDV関連の法規定では、日本同様身体的暴力を中心とするものの、精神的暴力・性的暴力等も含む広範な虐待類型に対応すべく、詳細な定義が置かれている。日本の裁判例の分析や当事者、弁護士等への聞き取り調査によれば、日本の司法は、DVを夫婦喧嘩の延長と見、パートナーの暴力を相手方の言動によって正当化しうるものと考えており、その背景には、そもそも婚姻によって妻は夫に従属し、夫の意に反した言動をした場合、夫から暴力を振るわれても仕方がないといった旧態依然とした婚姻観があることが覗える。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] ジェンダー不平等と暴力(DV)2015

    • 著者名/発表者名
      手嶋昭子
    • 学会等名
      日本法社会学会
    • 発表場所
      首都大学東京
    • 年月日
      2015-05-09
    • 招待講演
  • [図書] 親密圏における暴力―被害者支援と法2015

    • 著者名/発表者名
      手嶋昭子
    • 総ページ数
      約260
    • 出版者
      信山社

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公開日: 2016-06-01  

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