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2013 年度 実施状況報告書

幕末維新期護法論の思想史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 24520078
研究機関金城学院大学

研究代表者

桐原 健真  金城学院大学, 文学部, 准教授 (70396414)

研究分担者 小川原 正道  慶應義塾大学, 法学部, 教授 (40352637)
松金 直美  同朋大学, 文学部, その他 (10549554)
岩田 真美  龍谷大学, 文学部, 講師 (90610642)
上野 大輔  慶應義塾大学, 文学部, 助教 (90632117)
KLAUTAU Orion  龍谷大学, その他部局等, 研究員 (10634967)
キーワード護法護国 / 排耶論 / 国学 / 近世仏教 / 近代仏教 / 尊王攘夷 / 護法論 / 堕落論
研究概要

桐原は、後期水戸学の会沢正志斎における神道理解について検討し、また死者を祀りながら、死者の魂のありようを語らない靖国神社を頂点とする国家神道と一般民衆における死後観の齟齬――とくに仏教的世界観の存在形態――について明らかにした。上野は、近世後期における真宗信仰と通俗道徳との関係について検討し、また、幕末期における西本願寺を中心とする商家の動向を明らかにした。さらに、近世仏教に対する「堕落」というイメージについてこれを再考し、新たな近世仏教像の提示を試みた。岩田は、、明治期の真宗における新仏教運動の展開について検討し、また幕末維新期において護法僧として長州藩を中心に活動した人々に着目し、その思想的構造を明らかにした。松金は、明治に大河内了智(1876~1917)という学者を生み出した應通寺(愛知県豊橋市花園町、真宗大谷派)の蔵書(以下「應通文庫」と称する)の分析を行った。この應通文庫は、近世後期から集積されはじめ、近代になってからも読まれつづけた。近代において、さらに書物が増加していくが、同時代の書物のみならず、近世の書物も新たに入手されている。当文庫は一般真宗寺院の典型例と言え、近代教学の基盤として江戸宗学があったことを示してくれ、当研究が課題とする近世から近代への仏教を再考する手掛かりとなるであろう。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在、本科研分担者は自信の課題に取り組み、おのおのその成果を挙げている。ただし、研究代表者に関しては、伏臥などの理由により、調査計画の実施に関しては、遅滞しているが、論文等の成果公開については、おおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

本年度(2014年度)は、本科研における最終年度にあたる。したがって、本年度は、これまでの成果を総合的に公開するために、日本思想史学会ないしは日本宗教学会におけるパネルセッションを計画しており、そのオーガナイズを現在準備中である。また最終的にはこれらの研究成果を報告集の形で公開することを目指しているところである。

次年度の研究費の使用計画

2013年度において、研究代表者が何度か伏臥などをしたために、計画していた調査が実施できなかったため。
2014年度中に前年度に実施できなかった調査の実施とともに研究公開の場への参加を通していきたい。

  • 研究成果

    (22件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 6件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 弘道館とその祭神:会沢正志斎の神道思想2014

    • 著者名/発表者名
      桐原健真
    • 雑誌名

      佐々木寬司編『近代日本の地域史的展開:政治・文化・経済』岩田書院

      巻: 単行本 ページ: 15-38

  • [雑誌論文] 会沢正志斎『新論』2014

    • 著者名/発表者名
      桐原健真
    • 雑誌名

      岩波講座・日本の思想(内と外:対外観と自己像の形成)

      巻: 3巻 ページ: 262-273

  • [雑誌論文] 近代日本における魂のゆくえ:戦時歌謡をてがかりに2014

    • 著者名/発表者名
      桐原健真
    • 雑誌名

      金城日本語日本文化

      巻: 90 ページ: 1-12

  • [雑誌論文] (書評)オリオン・クラウタウ著『近代日本思想としての仏教史学』2014

    • 著者名/発表者名
      上野大輔
    • 雑誌名

      歴史評論

      巻: 765 ページ: 98-102

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「明治期の真宗にみる新仏教運動の影響―高輪仏教大学を事例として―」2014

    • 著者名/発表者名
      岩田真美
    • 雑誌名

      『真宗研究』

      巻: 第58輯 ページ: 93‐111

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「戦後における親鸞論と森龍吉の「真宗思想史」構想」2014

    • 著者名/発表者名
      岩田真美
    • 雑誌名

      『真宗学』

      巻: 第129・130 合併号 ページ: 369‐387

  • [雑誌論文] 東西分派後の東本願寺2014

    • 著者名/発表者名
      松金直美
    • 雑誌名

      同朋大学仏教文化研究所編『教如と東西本願寺』法蔵館

      巻: 単行本 ページ: 137-153

  • [雑誌論文] 近世後期における真宗信仰と通俗道徳2013

    • 著者名/発表者名
      上野大輔
    • 雑誌名

      史学

      巻: 82-1・2 ページ: 81-104

  • [雑誌論文] 杉本家と西本願寺2013

    • 著者名/発表者名
      上野大輔
    • 雑誌名

      『奈良屋杉本家二百七十年の歩み 近世から近代への京商家―商い・生活・信仰』公益財団法人奈良屋記念杉本家保存会

      巻: 単行本 ページ: 58-66

  • [雑誌論文] 「[研究ノート]成菩提院所蔵近世文書の諸相」2013

    • 著者名/発表者名
      曽根原理・朴澤直秀・藤田和敏・松金直美
    • 雑誌名

      『日本仏教綜合研究』

      巻: 第11号 ページ: 111-125

  • [雑誌論文] 「[史料寸考]天保九年西本願寺門跡広如関東参向行列の図」2013

    • 著者名/発表者名
      松金直美
    • 雑誌名

      『歴史の広場―大谷大学日本史の会会誌―』

      巻: 第16号 ページ: 33-39

  • [雑誌論文] 「[最近読んだ本]大谷大学真宗綜合研究所編『親鸞像の再構築』」2013

    • 著者名/発表者名
      松金直美
    • 雑誌名

      『歴史の広場―大谷大学日本史の会会誌―』

      巻: 第16号 ページ: 49-53

  • [雑誌論文] 「同朋大学仏教文化研究所蔵古書目録―應通文庫―」2013

    • 著者名/発表者名
      松金直美
    • 雑誌名

      『同朋大学佛教文化研究所紀要』

      巻: 第33号 ページ: 159-186

  • [学会発表] 神無き国の神殿としての病院

    • 著者名/発表者名
      桐原健真
    • 学会等名
      キャリアアップ講座看取りコース
    • 発表場所
      神戸市・神戸学院大学
    • 招待講演
  • [学会発表] 近代日本における魂のゆくえ:「九段の母」を手がかりに

    • 著者名/発表者名
      桐原健真
    • 学会等名
      日本語日本文化学会講演会
    • 発表場所
      名古屋市・金城学院大学
    • 招待講演
  • [学会発表] 連続と断絶:水戸学と維新のあいだ

    • 著者名/発表者名
      桐原健真
    • 学会等名
      人文学部地域史シンポジウム「明治維新と茨城の歴史」
    • 発表場所
      水戸市・茨城大学
    • 招待講演
  • [学会発表] 「鎖国日本」言説と永久開国論:「第三の開国」をめぐって

    • 著者名/発表者名
      桐原健真
    • 学会等名
      日本と東アジアの未来を考える委員会
    • 発表場所
      千代田区・都道府県会館
    • 招待講演
  • [学会発表] 「近世仏教堕落論」の呪縛と宗教史像の模索

    • 著者名/発表者名
      上野大輔
    • 学会等名
      「仏教と近代」研究会
    • 発表場所
      名古屋市・愛知学院大学
  • [学会発表] 「明治期の真宗にみる新仏教運動の影響―高輪仏教大学を事例として―」

    • 著者名/発表者名
      岩田真美
    • 学会等名
      真宗連合学会第60回大会
    • 発表場所
      京都市・龍谷大学
  • [学会発表] 「長州僧、奔る―明治維新と真宗僧の活躍―」

    • 著者名/発表者名
      岩田真美
    • 学会等名
      NPO法人 周防大島郷土大学・講演
    • 発表場所
      山口県大島郡・東和総合センター
    • 招待講演
  • [学会発表] 「親鸞聖人と島地黙雷師」

    • 著者名/発表者名
      岩田真美
    • 学会等名
      千代田女学園報恩講・講演
    • 発表場所
      東京都千代田区・千代田女学園中学校・高等学校
    • 招待講演
  • [備考] 思海

    • URL

      http://www.kinjo-u.ac.jp/kirihara/

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公開日: 2015-05-28  

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