本研究は、映画観客像の変容を歴史的・社会的文脈に照らし合わせながら解明することを目的としてきた。具体的には、「民衆」「大衆」「国民」「皇民」「市民」といった、近代日本の社会主体を指すものとして使用されてきた概念・カテゴリーを切り口にしながら、それらとの関連で映画観客がどのように規定されたり問題にされたりしてきたかを検討した。この成果の一部は、共著書『「戦後」日本映画論』(2012年)、共著書Oxford Handbook of Japanese Cinema (2014年)、学術雑誌『JunCture 超域的日本研究』5号(2014年)などで発表した。
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