この研究は、日本の宮廷音楽・雅楽が、海外においていかに発信・受容され、定着、展開しているかを分析する、音楽学的、文化人類学的考察である。本研究は、海外の雅楽を1)日本からの「渡航型」と2)現地在住者による「滞在型」に分け、国際的に活躍する日本の雅楽演奏者やプロデューサーに聞き取りを行うとともに、日系移民の多いハワイ、ロサンジェルス、日系移民が少ないニューヨーク、ケルンでフィールドワークを行い、海外における雅楽実践を、実践者の活動と意識、聴衆の反応、実際の音楽内容、演出等の観点から分析し、その展開のメカニズムと社会的意義を学術的に分析した。
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