研究課題
基盤研究(C)
20世紀のドイツ語圏における文学と映画との関係を、具体的な事例から多面的に描きだすことを試みた。とくに重点をおいたのは1920年代のトーマス・マンであり、『魔の山』での映画エピソード、映画についての発言、映画に対するさまざまな立場―観客、検閲官、脚本家、原作者―といった諸観点から、この時代に躍進してきた映画メディアにマンが公私ともに激しく巻きこまれていく様子を示し、当時の〈映画論争〉のなかでのマンの位置づけについても検討した。
人文学