最終年度はこれまで実施したデータを整理し、今後の新たな研究課題の洗い出しを行い、本科研で得られた知見および課題を整理し、今後の研究へつなげるための準備を行った。 また、成果を公表および今回の科研の結果を次の研究課題につなげるため、ホームページ「多言語子育てぷらっとフォーム/Platform for Multilingual Child Rearing (http://multilingual-childrearing.com/)を作成した。ホームページに「活動報告」「科研費報告書」のページを設け、本科研の成果を広く共有できることを試みた。 本科研では、日本国内の定住外国人を対象としたが、今後は外国人か否か、定住か一時在住かなどの支援対象の括りを緩め、海外赴任予定の日本人家族も含め海外につながる人たちを対象とした研究を展開する。 本科研では27年度に未就学児を持つ外国につながる親や関係者を対象に「多言語ワークショップ」や「多文化共生子育てフォーラム」を実施した。参加者の多くが多言語環境で子育てをする親たちであったが、家庭で言語教育の方針を決める情報が日本社会では準備されていないことや、子供に必要な言語環境を自分が準備できるのかという不安を抱えるなど、多言語環境で育つ子供の言語教育をめぐって多くの課題が存在していることが明らかになった。今後は、本科研での知見を活かし、主に多言語環境で子育てをする親に焦点を当てた当事者主体の支援モデル構築を目指す。 具体的には、2017年度から神田外語大学研究助成を請け「多言語環境子育てにおける親の意思決定過程に関する研究」を行う予定である。
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