研究課題/領域番号 |
24520624
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研究機関 | 福岡教育大学 |
研究代表者 |
吉武 正樹 福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (40372734)
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研究分担者 |
丸山 真純 長崎大学, 経済学部, 准教授 (00304923)
鳥越 千絵 西南学院大学, 文学部, 准教授 (00599178)
宇田川 元一 西南学院大学, 商学部, 准教授 (70409481)
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キーワード | 肯定する力としての批判力 / 協同学習 / メディア教材 / アイデンティティ・ポリティクス / 組織学習 / 物語り |
研究概要 |
2年目にあたる平成25年度は、4名の研究者が各自担当する分野における文献調査や資料収集を前年度から引き続き行うとともに、具体的な授業実践の提案のための準備を行った。 まず、批判的教育学や批判的コミュニケーション教育についての理論的理解を深めるため、初年度に続き関連文献を収集し、英語教育実践や異文化コミュニケーション教育実践との接点についての考察を深めた。英語教育では、権力を告発する意味での批判よりも、物事を鵜呑みにせず多様な視点から検証する実践としての批判の方が、その目的との整合性が高いことが昨年度の研究からわかった。しかし、ここでのコミュニケーションは認知レベルに限られ、人間関係構築や現実構成のコミュニケーションの視点は含まれない。一方、異文化コミュニケーション教育では、広義の批判に収まらず、メディア教材等を取り入れながら常識や関係性を組み替える視点や術を身につけ、「現実」に働きかける実践の学という意味合いが強い。この視点から再検証すると、英語教育においても認知レベルに終わるのではなく、英語を用いた実際のコミュニケーションにおける人間関係構築や現実構成に必要なコミュニケーション能力の育成という観点から批判を捉える必要性があることが明らかになった。 また、「批判=否定的な事態の捉え方」と考えられがちだが、本研究では、「肯定する力」として「批判力」を捉え直し、物事を反省的に捉えつつ、どのように他者と協同して肯定的・主体的に現実を構成していくかが、研究の鍵になると思われる。 組織研究の観点からも、「物語り」を鍵概念とし、教室内かつ同僚との関係においてどう組織を物語において作り替えるかが重要であることが分かり、上記に関連して、協同学習的な要素の組み込みが重要になることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2年目にあたる平成25年度は、資料収集の継続とともに、英語教育や関連分野としての異文化コミュニケーション教育における批判的教育実践についての具体的なあり方を考察するうえで参考になる教育実践の分析の継続を予定していた。これらについては、予定していたほど多くのものは集められなかったが、参考となりうる資料や実践が集まりつつあり、方向性も明らかになってきており、この点はおおむね順調といえよう。 その一方で、予定していた実践の参与観察や実践者・研究者へのインタビューまでは行うことはできず、最終年度の課題として残った。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度となる平成26年度は、平成25年度に行うことができなかった、実践の参与観察や実践者・研究者へのインタビューなどを通し、批判的英語教育実践における本質観取を試みる。 同時に、プロジェクトメンバーの研究者が担当している英語や異文化コミュニケーションの授業に、これまでの研究で有効とされたポイントを取り入れ、実践し、互いの授業を検証しながら、批判的英語教育実践法の開発のための糸口をつかむ。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度に計画していた実践の参与観察や実践者・研究者へのインタビュー、また、本研究に関係する方をお招きしての勉強会などを行うことができず、旅費及び謝金等への支出が少なかったため。 最終年度である平成26年度には平成25年度当初に予定していて遂行できなかった上記事項に使用する予定である。
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