研究課題/領域番号 |
24520782
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪産業大学 |
研究代表者 |
藤永 壮 大阪産業大学, 人間環境学部, 教授 (00247876)
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研究分担者 |
伊地知 紀子 大阪市立大学, 文学研究科, 准教授 (40332829)
高 正子 神戸大学, 国際文化学部, 講師 (80441418)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 在日朝鮮人 / 密航 / 済州島 / 韓国 / 朝鮮 / 植民地 |
研究概要 |
2012年度は、2回にわたって済州島でフィールド調査を実施し、北部地方のある村の人びとの渡日体験と、渡日を可能せしめた地域ネットワークの内容について、調査を行った。1回目の調査は2012年9月上旬に実施し、現地の役所で人口統計、地図などの資料収集を行ったのち、住民へのインタビューと地図をもとにした踏査を行った。この調査の結果について研究会を開催し、家系図や参考文献の記述を整理し、今後の調査方針を議論したうえで、2013年2月下旬に2回目のフィールド調査を実施した。2回目の調査では主に、日本への密航体験者に焦点をしぼってインタビューを行ったほか、踏査でこの地域の出身者と外部からの移住者の居住家屋を確認し、また渡日した地域有力者が創設した学校を訪問して関係資料を収集した。 一方、大阪の地域社会において、植民地期に朝鮮人がどのような生活を営み、またそれがどのように変化していったのかを探るため、統計データをもとに朝鮮人の人口やその構成(性別、定着度、職業、出身地域など)を動態的に分析し、その特徴を考察した。その成果の一部は、2012年8月下旬に韓国・順天市の青巌大学校で開催された国際学術大会で発表した。 このほか2013年3月には大阪市内で、体験者へのインタビュー調査を実施した。また以前の体験者へのインタビュー記録のテープ起こしを行い、内容の編集作業をすすめた。2012年度は、そのうちのお一人のインタビュー記録を、研究代表者の勤務先の学会誌に掲載した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
韓国での踏査は2回実施したが、日本国内での踏査は実施できず、また日本国内での体験者へのインタビュー調査も1名しかできなかった。研究代表者および分担研究者の日程調査が難しく、共同で現地調査を行う時間が限定されてしまったことが理由である。
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今後の研究の推進方策 |
基本的には前年度の研究方法を踏襲し、フィールド調査、インタビュー調査、文献調査を実施する。とくに2012年度には実施できなかった日本国内での踏査の実施に留意する。また海外では引き続き、済州島を中心に踏査を行う。 2013年度はとくに研究会開催の開催回数を増やし、代表者・分担者のほか、調査に参加する研究協力者などにも出席を求め、調査の成果の検討、関連するテーマ・分野での最新の研究動向の紹介、各自の個人研究の成果の報告などを行い、学際研究としての本研究の意味を深めていく。あわせて本研究の成果を公表するための準備を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
物品費としてパソコン、参考書籍などの購入、旅費として国内・海外でのフィールド調査にかかる費用、人件費・謝金としてテープ起こし、翻訳のアルバイト代、その他として複写費、文房具など消耗品などの購入代にあてる。
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