本研究では、英国において導入されているポイント・システムが、21世紀のディアスポラである高度人材の動向や、他の形態の移住者に及ぼす社会・経済的影響について考察することが目的だった。現在、先進諸国の多くが、グローバル経済競争に勝ちぬくことを目指して、高度人材の受入れを進めている。その際、政策手段として導入されるのが、ポイント・システムと言われる能力別移民選別受入れ制度である。 研究の結果、高度人材の生活を支える非熟練労働者として、女性家事労働者の受入れが進んでいることが明らかになった。受入国内で高度人材が注目される一方、彼女たちの存在は見えにくく、受入状況の改善が望まれる。
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