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2013 年度 実施状況報告書

設備投資モデルによる資産の価格付け

研究課題

研究課題/領域番号 24530235
研究機関明治大学

研究代表者

鈴木 和志  明治大学, 商学部, 教授 (40226501)

研究分担者 千田 亮吉  明治大学, 商学部, 教授 (80179944)
溜川 健一  明治大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (80409424)
福田 慎  福島大学, 経済経営学類, 准教授 (90573957)
キーワードAsset Pricing / Capital Investment / R&D investment / Tobin’s q
研究概要

前年度から作業を進めてきた設備投資のみをファクターとしたinvestment-based asset pricing model に関する実証結果を日本経済学会2013年度春季大会で報告した
(大会プログラムには、“Asset Pricing and High Cash Flow Investment” として掲載)。 推定したモデルは、Belo-Xue-Zhang (Review of Financial Studies :2013) に従い設備投資の1階条件を利用するもので、SDFの直接的使用を回避できるという点で、当初予定したものよりも簡潔で見通しの良いモデルである。討論者との議論を通じて、当初予定していたモデルよりも、こちらのモデルを拡張した方が、研究開発投資もファクターとして導入したモデルの構築には好都合であることが分かった。その結果、これから採用すべきモデルについて再検討し、当面はこちらのモデルで作業を継続することを決めた。
なお、ここまでの段階はパネルデータを利用した推定であるので、今後は、ポートフォリオをベースとした推定へと発展させる積もりである。また、前年度からの懸案事項であったR&D ストックの企業別系列を作成した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

設備投資のみならず研究開発投資もファクターとして導入したinvestment-based asset pricing model のモデル構築を検討している間に予定外の時間が経過したためである。
また、企業のR&Dストックの系列を作成する際に、業種別の陳腐化率のデータを探すのに時間を費やしたことも影響している。

今後の研究の推進方策

設備投資のみを対象としたsingle q モデルである Belo-Xue-Zhang (Review of Financial Studies :2013)をmultiple q モデルへと拡張することにより、研究開発投資もinvestment-based asset pricing model のファクターとして組み込むことが可能であることが分かったので、今年度は、この拡張モデルを実証していきたい。
なお、今年度はパネルデータよりも、ポートフォリオを産業別に組成したものをベースとしたい。パネルデータ分析は標準的なGMM推定に従ったものであるが、ポートフォリオをベースとした推定では各ポートフォリオのpricing error に関するモーメント条件を並列したものをGMMで推定する点で、両者に大きな方法論の違いがある。
なお、当初予定したオイラー方程式を利用したasset pricing model の推定は、Continuous Updating GMM プログラムの非線形バージョンの開発を含めて、SDFの定式化に関する幾つかの問題点を克服することが難しく、残された時間との関係で劣後的扱いとしたい。何故なら、究極の目的は、有形資産のみならず、無形資産であるR&D ストックが資産価格に及ぼす影響力を確認することだからである。

次年度の研究費の使用計画

昨年度は、前述のように研究開発投資をファクターとして導入するにあたって当初のモデルの見直しを行ったため、全体的に作業に遅延が生じ、今年度に持ち越されたためである。
英文論文の校正費用として40万円を予定している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Asset Pricing and High Cash Flow Investment

    • 著者名/発表者名
      鈴木和志、千田亮吉
    • 学会等名
      日本経済学会2013年度春季大会
    • 発表場所
      富山大学五福キャンパス

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公開日: 2015-05-28  

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