研究概要 |
日本,インドネシア,タイ,マレーシア,ニュージーランド,中国,韓国などの自動車フランチャイズ・システムの実態を調査し,その国際比較をおこなった。 インドネシアでは日本メーカーが95パーセントものシェアを占めているが,その要因は稠密な流通ネットワークにあることが判明した。日本の自動車フランチャイズ・システムにおいては,自動車メーカーによる直営店化が進んでいることが判明した。中国では,ディーラーグル-プ化が進展するとともに、ディ-モール化が進み,世界で最もディーラーグループ化とディーラーモール化が進んだ国となった。韓国では輸入車ディーラーではフランチャイズシステムが進展したが,国産車メーカーではなおも直営営業所方式と代理店方式に依存している。 他方で,中古車流通における日本,中国,韓国などの相違を明らかにすることができた。とくに,新興国(中国,インドネシア,タイなど)における自動車流通制度の実証研究が進んだ。それとともに,日系メーカーがそうした新興国に進出するためのマーケティング戦略についても解明が進んだ。まとめると,第一に,自動車流通システムの国際比較をおこなうことを通じて,国ごとの相違は何かを明らかにした。第二に,各国の自動車流通システムの相違はどこから生じているのか,その歴史的過程を明らかにした。第三に,各国に共通した傾向,法則性を明らかにした。第四に,自動車フランチャイズ・システムの問題点とその改革の方向を明らかにした。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き,自動車流通システムの国際比較を継続する。今年度も,日本,韓国,中国,ミャンマーなどの現地調査をおこない,各国の特徴を明らかにするとともに,国際比較を行う。
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