1. 前年度に実施した調査のデータを分析し、回答者の基本属性(性別・年齢・職業属性)、評定対象とした36職業への距離認知・職業イメージ・職業選好を中心とした基礎集計を行った。そして、その集計結果をまとめた簡易版の速報(10ページ)を、回答した人の中の希望者に対して配信した。なお、この速報は、奈良女子大学学術情報リポジトリにおいても公開している(http://nwudir.lib.nara-wu.ac.jp/dspace/handle/10935/3627「職業イメージに関する調査:調査結果の速報【回答者向け】」)。
2. 調査データのさらなる分析を行い、連携研究者とともに、学術的なインプリケーションについての検討を行った。その結果、(1)職業への距離認知の次元構造として、地位/性別職域分離/自律性/営利組織ホワイトカラー ― 公共職・技能職という4次元が主軸であること、(2)この次元空間と対応する職業群は9クラスター(高威信専門職/上級サラリーマン/非熟練/マニュアル/対人サービス/医療福祉/一般事務/公職/裁量労働)にまとめられること、(3)職業への距離認知の規定要因として、自身の職業属性のほか、協働機会と、私生活上の関係(パーソナルネットワーク)が影響していること、などが確認された。そして、これらの結果について、日本社会学会第87回大会(於神戸大学)において、口頭発表を行った。
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