少子高齢化に直面する日本では、女性の労働力の活用が喫緊の課題になっている。本研究は、いわゆる公的雇用(公務員としての雇用)と女性労働との関係について、国際比較的観点から計量的に分析を行うことが目的である。 結果的に、以下の2点を明らかにした。1つは、特に1980年代以降の先進経済各国における女性労働力参加率の増加の大きな部分が公的雇用の増加によって説明できること。もう一点は、公的雇用はたしかに女性の労働力参加率を高めるが、ワーク・ライフ・バランスや雇用の質という面では必ずしもプラスの作用のみがみられるわけではないこと、である。
|