本研究では、ホーディングを「何らかの主観的な意味を付与しているために、モノを溜め込み、処分できない性向」と定義した。そして、非臨床群を対象としたホーディング傾向尺度を作成し、その規定因やホーディングがもたらす諸問題の検討などを試みた。主な成果は、以下の通りである。1)6つの下位尺度(24項目)からなるホーディング傾向尺度が作成された。2)規定因の一つとしてアニミズムに注目したところ、アニミズム的思考はホーディング傾向を有意に高めることが見出された。3)ホーディング傾向、すなわちモノに対する特別な執着が物質多量を招き、それが精神的、経済的、社会的問題をもたらすことが示唆された。
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