情報の非対称性が存在する継続的な二者関係において,情報優位者の劣位者への信頼に寄与する要因を明らかにするために2つの実験を行い,以下の3点を明らかにした。(1)優位者の行動を監視するシステムは,高頻度の使用は劣位者の情報優位者に対する不信のシグナルとして機能し,優位者の劣位者に対する信頼を低下させるが,低頻度の使用は信頼レベルを維持する。(2)劣位者に監視の正当性があると認知される場合は,監視の行使が優位者への不信を意味せず,むしろ信頼を高める可能性がある。(3)正当性のある第三者による監視は,情報優位者の劣位者に対する信頼を高める効果を持つ。ただしこの効果は女性参加者のみで確認された。
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