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2013 年度 実施状況報告書

協同学習への動機づけにおける動的プロセスの解明

研究課題

研究課題/領域番号 24530814
研究機関三重大学

研究代表者

中西 良文  三重大学, 教育学部, 准教授 (70351228)

研究分担者 中島 誠  三重大学, 高等教育創造開発センター, 准教授 (00555500)
長濱 文与  三重大学, 高等教育創造開発センター, 准教授 (10555486)
中山 留美子  奈良教育大学, 教育学部, 准教授 (60555506)
キーワード社会的動機づけ / 協同学習 / 実践的研究 / 動的プロセスの検討 / 学習方略
研究概要

本年度は、当初の研究計画の通り、前年度で行った基礎的研究を踏まえて、研究を展開していった。
まず、協同学習場面における社会的動機づけを測定する尺度について、前年度に作成した予備的な項目を基に、約1000名の大学生を対象にデータ収集を行い、尺度構成の検討を行った。そこでは、「他者からの触発による動機づけ」「他者援助動機」「メンバーからの被評価動機」「メンバーからの被嫌悪回避動機」「グループに対する被評価動機」「他者からの知識影響に対する動機」の6下位尺度からなる尺度を構成した。
続いて、大学初年次教育における協同学習場面において、これらの尺度により測定される動機づけが授業開始時と終了時でどのように変化するかについての検討を行った。その結果、開始時から終了時にかけて「メンバーからの被評価動機」において得点の上昇が見られた一方、「他者援助動機」「他者からの知識影響に対する動機」においては得点の下降が見られた。
また、協同学習場面において、自己効力感や課題価値といった個人的な動機づけ要因がどのように変化するのか、また、協同学習の中での学習行動(学習方略)や協同学習そのものについてどのように捉えるかといった点についても検討を行い、協同学習における動機づけを多側面から捉えることを試みた。これらの検討の中には、中学校での実践を基に行われたものも含まれている。
これらの内容については、学会発表ならびに論文にて公表を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では、協同学習における動機づけの動的プロセスを検討することを目指しているが、その過程で必要となる社会的動機づけ尺度が完成した。また、当該尺度を用い、いくつかの協同学習を用いた授業場面でのデータ収集が既に行われており、これらは当初の計画どおり順調に進んでいるものである。

今後の研究の推進方策

今後の研究の展開としては、既に収集されたデータの分析を進めるとともに、教科や協同学習手法が異なる実践場面を取り上げた検討を行う。その中で、より動機づけが高まるための要因についての検討をさらに進めていく。加えて、ここまでで見出されている知見を基にして、より学習者の動機づけが高まるような実践方法の提案を行う。具体的には、これまでに既に提案されている協同学習の手法をベースとして、その展開においてどのような工夫を行えば良いかについて提案を行う。
これらについては、学会等において学術的な観点から公表するとともに、現職教員を対象とした研修の機会においても紹介をし、教育現場へのフィードバックも進めていく。

次年度の研究費の使用計画

研究分担者のうち1名が産休に入っていたため、当該研究者が使用する予定であった部分が使用されなかったため。
産休に入っていた研究分担者が行うべき研究活動については、研究代表者・他の研究分担者が行っており、次年度の研究活動に支障がない状態となっている。そのため、当該研究者が計画通りの研究活動を行うことで、本年度からの繰越金を適切に執行される計画である。

  • 研究成果

    (14件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (5件) 学会発表 (7件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 協同学習場面における社会的動機づけ尺度作成の試み2014

    • 著者名/発表者名
      中西良文・中島誠・大道一弘・益川優子・守山紗弥加・下村智子・長濱文与・中山留美子
    • 雑誌名

      三重大学教育学部紀要

      巻: 65 ページ: 347-353

  • [雑誌論文] 協同学習におけるメタ認知を促す教授方略が他者との関わりの変化に及ぼす効果2014

    • 著者名/発表者名
      高垣マユミ・中西良文・田爪宏二
    • 雑誌名

      三重大学教育学部紀要

      巻: 65 ページ: 283-290

  • [雑誌論文] 方略保有感,コスト,有効性が学習方略の使用に与える影響2014

    • 著者名/発表者名
      梅本貴豊・矢田尚也・中西良文
    • 雑誌名

      三重大学教育学部紀要

      巻: 65 ページ: 291-296

  • [雑誌論文] The effects of motivational teaching strategies on learning behavior among peers during collaborative learning.2014

    • 著者名/発表者名
      Takagaki Mayumi, Nakanishi Yoshifumi, Tazume Hirotsugu & Shimizu Makoto
    • 雑誌名

      Journal of Saitama University, Faculty of Education.

      巻: 63 ページ: 1-20

  • [雑誌論文] 授業評価へのフィードバックを授業時間中に実施する効果2013

    • 著者名/発表者名
      中島誠・長濱文与・中山留美子
    • 雑誌名

      大学教育研究(三重大学授業研究交流誌)

      巻: 21 ページ: 63-68

  • [学会発表] プロジェクト活動を中心とした初年次教育科目受講による社会的動機づけの変化2014

    • 著者名/発表者名
      中西良文・下村智子・守山紗弥加・益川優子・大道一弘・中島誠
    • 学会等名
      大学教育研究フォーラム
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      20140318-20140319
  • [学会発表] 入学時の状態が初年次教育科目の成果に及ぼす影響2014

    • 著者名/発表者名
      中島誠・中西良文・大道一弘・益川優子・守山紗弥加・下村智子
    • 学会等名
      大学教育研究フォーラム
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      20140318-20140319
  • [学会発表] 読解の理解深化を目指すLTD 話し合い学習法の実践 -読解方略と動機づけに着目して-2013

    • 著者名/発表者名
      西村まりな・中西良文
    • 学会等名
      日本協同教育学会第10回大会
    • 発表場所
      札幌大学
    • 年月日
      20131130-20131201
  • [学会発表] 大学生に対するグループワークを用いたスキルトレーニングの実践と効果 -レジリエンスの変化に着目して-2013

    • 著者名/発表者名
      市川大貴・中西良文
    • 学会等名
      日本協同教育学会第10回大会
    • 発表場所
      札幌大学
    • 年月日
      20131130-20131201
  • [学会発表] 大学生における学習への課題価値が学業的満足遅延と学習行動に及ぼす影響2013

    • 著者名/発表者名
      中西満悠・中谷素之・中西良文
    • 学会等名
      日本教育心理学会第55回総会
    • 発表場所
      法政大学
    • 年月日
      20130817-20130819
  • [学会発表] 2種類の自己愛と主張性の関連―相関および教育プログラムの効果についての検討 ―2013

    • 著者名/発表者名
      中山留美子
    • 学会等名
      日本教育心理学会第55回総会
    • 発表場所
      法政大学
    • 年月日
      20130817-20130819
  • [学会発表] PBL(Problem/Project-based Learning)によるメタ認知方略の促進(自主シンポジウム(企画者:瀬尾美紀子・伊藤崇達・塚野州一)「自己調整学習とメタ認知-それぞれの研究成果を互いにどのように生かしていくべきか」)2013

    • 著者名/発表者名
      中西良文
    • 学会等名
      日本教育心理学会第55回総会
    • 発表場所
      法政大学
    • 年月日
      20130817-20130817
  • [図書] 三重大学 「4つの力」スタートアップセミナー 2014年度版2014

    • 著者名/発表者名
      中島 誠・下村智子・大道一弘・益川優子・守山紗弥加・高山進・中西良文・山田康彦・長濱文与
    • 総ページ数
      60(1-60)
    • 出版者
      ムイスリ出版
  • [図書] 教育と学びの心理学-基礎力のある教師になるために-2013

    • 著者名/発表者名
      速水敏彦編著 速水敏彦・氏家達夫・藤村宣之・橘春菜・小塩真司・小平英志・平石賢二・中西良文・西田裕紀子・川上正浩・清河幸子・中谷素之・石井秀宗・吉田俊和・鈴木有美・西口利文・高井次郎・金井篤子・浦上昌則・本城秀次(他6名)著
    • 総ページ数
      318(81-96)
    • 出版者
      名古屋大学出版会

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公開日: 2015-05-28  

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